混合世界

□うたプリファンタジー
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『おいブス!』
『近寄んなブース!』

そんな事を言われ続けたこの14年。
四歳から、ずっと学園都市に通って。
それなりにレベル4になった途端。
父親の弱小な会社は父さん。
学園都市から追い出され、外の世界で立ち尽くす。

「…」

朧気な記憶と、昔のメモ。

それを頼りに家に戻れば。
ボロボロで、差し押さえの札。
能力者なので入るのは楽。
そして。

「…私の部屋…が、ない…」

そして探して探して見つけたのは。

「…ははっ…私…捨てられた?」

見つけた書類には、私に関する書類。
私のこれまでの苦しい「開発」は。
父親がお金の為に「売る」書類。
私の開発は確かに違法な感じではあった。
なんせ実現しないとされる多重能力の研究だったから。

実現はした。
他は「レベル0」だけど。

「…」

そう、公的には。
私は元の能力をレベル4に上げた。
隠した。
実現したと分かれば同じ研究と開発が行われると分かっていた。
私一人の研究。
多分売られたからだ。

それも三年前締結。
私はずっと他の能力をレベル0として扱ってきた。

から放り出されても問題はない。

「…」

親戚…
確か…

仕方ない。
頼るしかない。
だって私十四歳。
両親は不明。
だとしたら…

「…どうやって東京まで戻ろうか。」

勿論決まっている。

「まっとりあえず行こう!」

最後にあったのは三歳。
十一年前。
覚えてくれてるといいな。

私の見た目は普通。
可愛いとは言えない。
でも生きていかなきゃ。
幸い頭は悪くないはずだから。

「…」

私は書類を燃やして、そこから飛んだ。
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