混合世界

□仮
1ページ/22ページ

世界は平和である。

私の心の中以外は。
私は今、とある事情により殆ど血の繋がりのない親戚の元に行くため、街中を彷徨っている。
多分誰の記憶にも新しい惨劇。
きっと全国に、いや、全世界にニュースが流れた事だろう。
生存者0は誤報だが。

事が起きたのは二週間前。
とある地方の、それ程小さくない街で、突如大爆発が起きた。
死者五千人を超える惨劇。
原因は違法な科学実験が行われたことによる。
その中で私だけが唯一生き残った。

元々この世界には能力や魔法というものがある。
それを解明、かつ安全に使える様にという名目の研究所だったはずだ。
ちゃんと科学連盟に名を連ねるちゃんとした研究所だったはずだ。
何かあれば罪を擦り付けるのは政府のお約束。
そして、その頃ただ1人。
使い慣れない能力の練習をしていた私だけが生き残った。
いや足折れてるけどね。
そして辿れる家系を辿り、唯一私の引き取りを受け入れてくれた人の元に今行こうとしている。
政府の情報収集って凄いと思う。
ちなみに私がその人の所に行く事になったのは近親者に受け入れてくれる人がいなかったから。
どうやら母はかなり
の家柄の出だった様で、近親者からは私が母の子だと分かるとかなり冷たかった。
母はそんな由緒ある所で育った様に見えない人だったのでかなり驚いた。
今回引き取ってくれるという遠縁の人は以前母と一度だけあった事があるそう。
まぁ良くあるよね、一族の爪弾きって。

「…えーと、君が水華ちゃんかな?」
「あ、はい…?」

いきなり見知らぬ男の人に話しかけられ…ん?この人…

「っ!!!?」
「あぁ、驚かせたかな?」

なんで俳優の日向龍也が話しかけてんの!?
喧嘩番長大好きです!

「社長は今大事な会議中で、俺が代わりに迎えに来たよ。しかし…本当に方向音痴なんだな?」
「うっ…」
「反対側にいるとは…事前に社長から方向音痴かもと聞いていなければ探せなかったよ。まだ骨折が治り切っていないんだから歩き回るのは感心しないな。」
「…ごめんなさい…って、社長?」
「ん?聞いてないかい?」
「名前と住所しか…早乙女光男さんって…」
「社長の本名な。一応極秘だから言わない様に。シャイニング早乙女ね。さ、荷物を積むよ。」
「え、あ…はい…」

…まさかの事実!!
そして足が痛い…後
で痛み止め飲もう…
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ