混合世界

□異世界
1ページ/15ページ

あなたは不思議な体験、というものをした事はあるだろうか。
いや、人間生きていれば不思議な体験の一つはあるだろう。

私もその一人だ。

昨日までは普通な人生を送っていた。

ちょっとマンガが好きで。
ちょっとアニメが好きで。
それが高じてある声優さんが好きで。

…まぁある意味オタクだと言われる部類に入らなくもないけど、地味に生きてきた私。

けれど昨日、私の人生最後の日…そして新しい人生の始まりは普通に地味に生きてきた私にとっては。

至極不思議で驚く体験だった。



昨日は普通に仕事に行って。
1日、いつも通り終わるんだと思っていた。
そう、疲れ果てて、いつも通りの通勤電車。
眠いのを殊更我慢して、そう言えばいつもより乗客が少ないな、なんて。

コクンと一瞬寝ちゃって、席が空いてるのに隣に座る男性に頭が当たっちゃって。
すみません、いいえー、っていう軽い会話。
あれ、どっかで聞いた声だななんて。
そう言えばこの人どっかで見たななんて。
そんなどうでもいい事を考えていたら、いつもは快適な乗り心地の電車が大きく揺れて。
びっくりしている内に…私は、い
や私達の人生は終わりを告げた。


いわゆる電車事故。
乗員乗客合わせて二十数人。
きっとニュースではそんな感じで報じられているんだろう。
きっと今頃は家族に伝えられているんだろう。

そしてそんな事を考える死んだ私は、神様とやらにすぐ転生出来る事を伝えられていた。
勿論他の乗客達も。
そして運転していた駅員さんも。
そして。
電車事故を起こした当人達も。

まぁひと悶着あったけど。

私達はとある世界への転生をむしろ義務付けられた。
なんでもその世界には最近、本来起こり得ない事が起こって人の魂がなんとか。
話が長すぎたので自分の中で勝手に割愛。

で、目覚めたら赤ん坊。

そして成長。
地味に生きてきた私としては容姿が大きく変わってびっくりですが。

そしてそのとある世界が大好きな声優さんが出ていた(チョイ役だけど)アニメで。
自分がその中の人になるとは思わなくて。

そして。

アニメとは違う現実に驚いて。
けれどもそれでもまた一部普通じゃないけど普通な私は普通に人生を送っていた。

学園都市のとある高校に入学するまでは。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ