混合世界

□混ざり合う世界
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人生やり直せるなら。
憧れのあの人に会ってみたい。

『ならばその願い、叶えましょう。』






「そりゃあ人生やり直したいとは言ったけど…まさか幼少期からとは…」

私、霧澤水華。
元20代、現在5歳。
そしてここは。

「学園都市、ねぇ?」

そう。
とある小説の世界。
そして私は今日からこの学園都市の学生です。

「ただ違うのは…多重能力が普通にある事かな。」

まぁファンタジーは好きですので構いませんが。
これで憧れるあの人に会えるの?

「えーと…星燈学院…あった。ってデカッ」

私が通うのは幼等部から大学院までのエスカレーター式の学校。
学園都市一大きくて自由な学校…らしい。

「んーと…」
「おい、そこのチビ。」
「?私?」
「おまえいがいにいねーだろ。ま、いいや。おまえ、きょうからここなんだろ?」

なんだ?

「いいか、ここはなのうりょくのレベルでかくがきまるんだ。だからおまえ、きょうからおれさまのこぶんだ!」

えー、もしかして絡まれてる?

「ふーん。レベルで格が決まるんだ。」
「そーだ!だからこ
のレベル2の…」
「だったらあなた、私の子分ね。」
「はぁ?」
「私、レベル4だもん。レベルが高い方が格上なら、あなた格下よね。」
「なっ!?」
「ぷっ…」

あれ、なんか増え?

「げっとりうみ…」
「確かにね。ほら、格下は行った行った。」
「ちっ…」

とりうみ…?

「あんなのは嘘だから本気にしちゃ駄目だからな?」
「うん。そんなの分かってるよ。それよりあなた誰?」
「…俺も聞きたい事あんだよな。」

質問してるのに質問で返された…

「君も、大人だったでしょ。」
「!?」
「当たり。いやー、良かったぁ。俺だけかと心細くなってさー。」

???

「俺も、元大人。君の話し方、いやに大人っぽかったからつい話しかけたけど…びっくりさせたならごめんね。」
「え、あ、いや…別に…」
「あぁ、さっきの質問ね。俺、鳥海浩輔。」
「!?」
「びっくりしたなら声優だった事も知ってる…かな?」
「うぁ…は、はい…」
「ふふっいやー本当に良かったよー。2年もそんな出会い無かったからさー。子供に混ざるの大変だしさー。」
「2年…?」
「そ。俺がここに来て2
年。」
「…だから引退?」
「ん?」
「2年前にいきなり事務所のホームページに引退しましたって。」
「行方不明とかじゃなく?」
「うん。だから…」

もう鳥海さんの声聞けないって思って願ったんだ。
もし生まれ変われるなら鳥海さんに出会って、いつでも会える位置にいたいって。

「…ね、君の名前は?」
「あ、すみませんでした。霧澤水華と言います。」
「水華ちゃん、ね。じゃー、ほら行こ。」
「?」
「だから、職員室。行くんでしょ?」
「あ、はい。」
「それから。」
「?」
「敬語、要らないでしょ。水華ちゃん、幼稚園児だし。」
「う…」

そうでした。
私園児でしたね。
来年は小一ですけどね。
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