多重能力

□仮
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昔々、人間だけだった世界は、いまや天族と魔族と人間とその他諸々が住んでいる。
前世の記憶を受け継いでる私としては複雑だけど。

それでも変わらないものもある。


「…今度は負けない。」

まずは今の世界に慣れないと。
この世界は今三分割されている。
人間の国と天族の国、そして魔族の国。
人間の国と魔族は実に多種多様であるが、天族の国は未だに魔族を入れたがらない。
神魔戦争を忘れていない奴が多いんだろう。

「魔族の入国規制無いのにね。」
「何がだ?」
「ん?天族は相変わらず頑固が多い。それが火種にならないか心配なだけ。」
「さぁのぉ。」
「だが…案ずるべきはそこではないだろうがな。」
「ああ。」

私の相棒達、ドラゴン。
ドラゴンと妖精族は今は地上にいない。
私のいた国にいる。

「さて。久しぶりに人間生活を楽しみますかね。」
「羽目を外し過ぎるでないぞ?」
「分かってるわよ…」

私のドラゴンは三体。
元素竜アニマ・マグナ。
陽光の神竜ニアラ・マグナ。
そして宵闇の神竜ティアマト・マグナ。
皆生まれ変わっても私と契約している。
普段はアニ
マに乗って移動とかするけど。
ドラゴンライダーとかじゃないから。
私はドラグーン。
そして…


「お父様が見た未来まであと少し。だけど手立てが今の所見つからないのは歯がゆいな。」
「実現するのかね?」
「今のままじゃ無理かな。」

私はそれを見定めるだけだ。

「最悪…天族も魔族も人間も滅びるかな。」
「うむ。」

しかし。
人工であっても夜景は綺麗。
相変わらずだねぇ人間の世は。

「しかし…高すぎではないか?広すぎの様にも思うし…」
「それは…仕方ない、かな…ここ一応お父様の所有物だし…」
「クロノスめ…人間生活を気に入りおってからに…」

さあ、見せてみて。
人間の底力を。
いつかの私の様な人間が…いるといいけど…
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