□異世界転生
1ページ/5ページ

転生した。
それも機械だらけの現代地球から魔力が資本の世界に。
ただ、未発達とは言い難い。
なんせこの魔力こそが全てに於いて関わっている。
私が生まれた町を見てみても、明かりも井戸も何もかも魔力を動力として動いている。
勿論魔法も使える。
魔術はその資質が人それぞれだが、必ず何かしらの魔術は使える。
そう、私が生まれたのは全てを魔力に頼る場所だった。
とはいえ、歴史を見ると他の国が必ずしもそうでは無いという事らしい。
我が国は魔道国家と呼ばれ、七人の賢者と一人の大賢者によって国として機能している。
魔術は学ばなくてはならないもの。
6歳になれば必ず学校へいく。
魔術と魔法の基本と文字と計算である。
とはいえ現代を見慣れた私にとってはまだまだ中世クラスの発展レベルだと思っている。

様々なものを学んだ。

「「「「「「…」」」」」」
「では、発表する。進学希望の内、合格者は………」
「「「「「「ゴクリ……」」」」」」
「はい、今年もいませんでしたー。」
「「「「「「落ちた!!」」」」」」

中級までは必ず学ぶとして六歳から14歳までは学校、15歳から18歳までの三年で高等技術を学ぶためには試験に受かり中央学術都市への入学を決めねばならない。
ちなみに私も受けた。
これは小さな街から村は大人すら関心を寄せるため結果発表は町中の人が集まって聞くのが毎年の恒例だ。

「ただし!特待生として、中央学術院から入学推薦書は届いてる!」
「「「「「「「っ!!」」」」」」」

まぁ、結果は分かりきってるんだけどね。

「推薦書は三枚!一人目!カリス!」
「ま、当然だね。」

相変わらずスカした野郎だな。

「二枚目!!なんで通ったんだ?アスタナ!!」
「へぁ!?あっあたし!?」
「ああ。三枚目!!レティシア!!」

視線が集まる。
まぁ最もだ。
なんせ今まで攻撃魔術は「使えない」としてきたからだ。

「レティシア、推薦書が来たということは…封印を解くことになる。その辺吹っ飛ばすんじゃねえぞ?」
「分かってるし。…」
「レティ…」
「大きくなったわねぇ…」

今世の両親はのほほんな人達なので、そんな事でホロリとしている。

「…封印?って…」
「レティは生まれた時から魔力が高くてねー。魔法で家を吹き飛ばしちゃったから中等科卒業までは封印しなきゃいけなかったんだよー。」
「がははは!あん時は驚いたよな!」
「ねぇ?」

そう、大人達には笑い話になっている。
吹っ飛ばした時お父さんも芸術的に飛んで行ったからな。

「う、嘘だろ…俺だって封印とかまでいかないのに…」

あっそ。
自称高飛車天才くんはどうでもいい。
問題はアスタナだ。
何をやらしても適正無し。
まぁそんなもんで皆からかうけど…そういう奴は何かしら秘めてるってのがラノベのテッパンだからな!

「…じゃあレティの一番得意ってなに?」
「ん?いや、それは変わらん。私が得意なのは従魔術。」
「そこは変わらないのか。」
「二番目に攻撃魔術。」
「そうだろうね!?」

従魔術はやはり魔物をテイム出来る所にある。
既に何体か契約してる。
とはいえ。

「まぁでも、私の本分は錬金術で薬師だし。」
「あたしはどれもダメダメですけど…」
「だからって勉強しなくていいわけじゃない。」
「うっ…はい…」
「中央学術院は寮か…」
「あんたは備品壊すんじゃないよ!!」
「分かってるよお母さん!!壊したくて壊してるんじゃないし!!」

そう、アスタナの特筆すべき点は無資質ではない。
触るだけで物が壊れる現象だ。
それで直してたら錬金術が開花した。
他にも色々やって色々あるけど。

まぁそれでもカイルは上から目線が腹立つ。
ので。

「じゃあね、自称天才くん。中央学術院で恥じ掻かないようにねぇ?」
「っ!そっくりそのまま返す!!」

この日。
荷物は既にまとめられていて。
そのまま送り出されるのだ。
が!!

「途中のクアルアンで乗り換えになるのか。」

この国はインフラ整備が素晴らしい。
電車も飛行機もある。
まぁ個人用になると箒とか絨毯だけどね。
初めて箒に乗った日は忘れられないわ。
…アスタナのせいで制御不能になってダンジョンまで飛ばされたからな…
まぁそれで私とカイルだけが無傷で戻ってきたのだけど、わりとアスタナとワイワイしてるからか孤立はしなかった。
まぁアスタナもだけどね。
これが外に行ったらどうなるか。
とはいえこれも人生。
ちなみに。

「レティーーー!おじいちゃんの所に行く為の通行証ーーー!!」
「あ、やべ忘れてた。」

おじいちゃん、わりと有名人で。
まぁそれは後で。
生まれて家を吹き飛ばしたあと、おじいちゃんが来て封印を掛けられた。
まだ封印は解けていない。
おじいちゃんに会いに行かなきゃだから。
で、解ける年齢になったらと通行証兼身分証であるブレスレットを置いていってくれたのだ。

「レティのおじいちゃんって中央にいるの?」
「うん。中央の政務塔に研究所があるの。」
「ふわ!?それって結構凄い魔術師って事じゃん!」
「まぁ、そうだろうね。私の魔力が高すぎるって感じ取ってお父さんが連絡する前に来たらしいし。お父さん、おじいちゃんの子供の中ではあんまり秀でて無かったから地方にいるって前に言ってたよ。」
「…でも町で一番強いのレティのお父さんだよね。」
「まぁ、そうだけどね。」

今世の私は銀髪に青い瞳。
封印を解けば産まれたばかりにおさらばした白銀に宝石眼に戻る筈なのだ。
魔力高めたしね!
じゃないと使えないスキル多すぎるわ。
ステータスが見れてスキルが取得出来るってのは世界共通のもの。
まぁゲーム的なものでしたので?サクサクスキル取ったら色々ちょっとね…

「アスタナも一緒に行くのよ。」
「え!?あたしも!?」
「当たり前でしょ。無資質で破壊魔のあんたに推薦書が来た事が気になるからおじいちゃんに見てもらうのよ。」
「おおっ!良いの?」
「見てもらうよう手紙送っといた。魔導列車よりうちの従魔の方が速い。」
「そ、そうなんだ。」

なんせ伝説級の魔物ばかりですからな。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ