□転生令嬢
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地球で死に、新しい世界で貴族として生まれた私。
魔力のある世界で、楽しんで伸ばし。
ついでに様々な知識も蓄え。
お兄様とお姉様がいるのでわりと自由にやってきた。
10歳の時に冒険者登録したしね!

我が国は強大国として知られる。
その理由がまさかの義務教育だ。
その、期間は15歳から18歳の「全ての国民」が国土に多数作られた学校へ入り学ばなくてはならない。
その為既に平民でも識字率は上がり、貴族だけの場だった城や要職にも平民が就けるようになった。
加えて戦闘能力の向上を図る取り組みとして、貴族出身平民出身問わず騎士・兵士・冒険者に限り、力量を見せた者は爵位を授ける事をしている。
だから貴族の人数も多いのよね。
まぁ冒険者で爵位が与えられるのはBランクから。
冒険者、騎士、兵士共にランク制度を設けており、新人はEランクから始まり、D・C・B(準男爵)・A(男爵)・AA(準子爵)・AAA(子爵)・S(伯爵)・SS(侯爵)・SSS(公爵)となる。
BランクからAAAランクは一代貴族扱い。
これは平民が冒険者になった時用の決まりだね。
普通に貴族の子供がなったらそれは継承貴族扱いだから。

ちなみにわたくしレティシアはSランクですので産まれたバークライト伯爵家令嬢だけではなくクロノワール伯爵を頂いております!
爵位を貰うって言うのは家名を頂くって事だからね。
そりゃ家名の無い平民は頑張るのよ。
ちなみに商家とか富裕層の平民は家名がある。
商売をする為に家名を頂けるのだ。
だからどんな屋台でも城の方での手続きがあるから、登録した時点で家名が貰える。
子供が受け継ぐなら家名も引き継げる。
まぁ受け継がなくても冒険者か兵士もしくは騎士になった時点で使えるけどね。

そして我が家は代々伯爵家。
領地持ちですが、わりと古参の家柄なので城の方でも発言権のある家柄です。
お父様領地に籠ってますけど。
そんな我が家は領地で元々は芋を作って国中に広めております。
その他穀物。
そう、穀倉地帯というものですが、まだまだ余ってる土地は多かったのです。
…面積は広いもんでね、うちの領地。
で、冒険者して、世界を巡り独学で錬金術師を開花させた!
ので魔道具を作り、元々自生していたアプル(林檎)からお酒を作った。
まぁ麦と芋からも作りましたけど。
それからアプルを利用したふくらし粉の発明をし、硬かったパンが前世の物のようにふっくらしました!
まぁ麦なんでお酒出来たらエールなんだけど。
その他コーンからバーボンとウィスキーを、サトウキビみたいなの見つけてからはシュガーとラム酒を、更に更に自生しているグレプ(ブドウ)を見つけワインに!
お酒の産出地としても一躍有名になりました!
今じゃ畑や果樹園の無い場所は森くらいの勢いです。
そんな訳で引きこもりのお父様はお母様が無理やり連れ出して、社交シーズンに王都に行くという領主の当たり前を当たり前にさせました。

で、先程言っていた15歳となり、王都で中央学院に入って今年で二年目…つまり二学年生で無難に社交もやってきました。

そんな中。

「…は?」
「だからな。お前に婚約者を用意した。」
「いやいやいや?あのうち伯爵家ですよ?そんな侯爵家の方と?」
「決まった事だからな。」
「いつ!?ていうかわたくしの意思を聞いてよ!!」
「聞けばお前は「ノー」としか言わんだろうが!」
「当たり前でしょ!?」
「だから裏で進めたんだ!!いい加減自分が貴族の娘と自覚せい!!」
「あいたーーーっ」
「…」
「まぁ、とにかくだ。これは政略結婚というものでね?貴族だから否応なしというのは否めないが、それでもやらなきゃね?」
「うぅー…」

しかも相手が同い年のクリス・ライフォート様…
キリッとした切れ長の青い目にサラッサラの金髪。
物静かで、自他共に厳しい事でも有名。
既に騎士として働かれていると聞いたけど。
侯爵様は似た容姿で優しそうです。

婚約とか結婚とか冒険者出来なくなるから逃げてたのにー…

「だろうよ…はぁーお前のそれは誰に似たんだ?」
「間違いなくお前だろう?」
「そうか?」
「…もしかして仲が宜しいのですか?」
「ん?ああ、学院生時代の友人、学友というものでね。お互い領地持ちの領主の跡継ぎだったから色々と話していてね。ただ、お前は跡継ぎではないが貴族として何かしら功を立てねばならん。」
「それは…」
「騎士団に入ったんだったか?…今は有力な倅どもが多いから多少出来るくらいでは霞んじまうわなぁ。」
「…っ…」

あー、まぁそうか。
今の王宮騎士団や宮廷魔術師団には同い年や上級生に格別光る存在が何人かいる。
彼らが大人気過ぎてクリス様は二枚目俳優的な立ち位置になっている。

「一度騎士を辞めさせようとね。」
「あん?」
「まぁ、人には向き不向きがあるもんだ?だろう?」
「そうだなぁ…」

お父様は魔術も剣も不向きらしい。

「俺ぁフィールドワーク向きなんだよ。」
「…それでいっつもお母様に怒られるのに…」
「…」

黙秘しやがった…

「だが、騎士団辞めてどうすんだ?」
「うむ。実はね、この婚約そのものの意図がそこにあるんだよ。」
「「は?」」
「レティシア嬢は既に冒険者として伯爵位だろう?」
「え?」
「まぁ、はい、そうですね。」
「それに、去年師団のスカウトも一蹴してくれてねぇ…」
「…」

組織に属するって面倒なんだよ…
それは前世のブラック企業勤めでよく知ってる。
冒険者ギルドはそんな事がないし、基本ソロでやってるしね。

「そういやお前第三師団長だったな。」
「まぁねぇ。冒険者ってさ、色々やるだろう?」
「まぁ、本当に色々やりますね?」
「その中で、自分の向きを見つけられたら、と思ってね。ただ、君は登録からずっとソロ冒険者だ。今更パーティーをと言われても頷き難いかと…」
「あ、いえ…今は、パーティーメンバーが…」
「は?いんの?」
「なし崩し的に登録させられたの!強権発動反対!!」
「「「は?」」」
「…、去年の、入学式の直後に…めんどくさい人に捕まって…」
「めんどくさい?」
「うん…まぁパーティーメンバーって言ってもソロ同士がパーティー制限のあるダンジョン攻略に行くのに組んだってだけだったんだけど…」
「…そういえば…時折レオンハルト殿下と話していたか?」
「レオンハルト殿下?って確か全く政務に名前の上がらない第三王子殿下か?」
「ああ、学年は同じだったね?」
「はい。時折廊下で話しているのを見かけた。」
「…その、レオンハルト殿下がパーティーメンバー、リーダーなんです。」
「なに!?」
「政務に名前が上がらないのは、そもそもレオン様、ヨシュア殿下に命じられて冒険者として市井や周辺諸国の偵察っていう…偵察してんのわたくしだけど…仕事やってるんですよね。ていうかそもそも登録日が一緒だったから冒険者としてはお互い面識はあって…」

お前やっぱ貴族じゃねぇか!って追いかけ回されたのよね。

「お陰で王都全域を一日で回ったわ。ゆっくり見て回りたかったのにー…」
「憤る部分が違ぇ。なるほど、それでか。」
「まぁ社交から逃げる口実にも使われてるけどね。」
「だろうねぇ…」
「度々廊下で捕まったのは次にどこ行くつもりだーとかそんな話しですね。」
「そうなのか。」
「「…」」

ん?どしたの?

「いや。」
「まぁ何にしてもだ。既に婚約状は提出されてるから婚約者だからねぇ。」
「ま、何はともあれ仲を深めておけよ。来週婚約式するからな。」

え、えーーーー…
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