□異世界転生
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ふと、感覚がしっかりするという事を覚える。
ふわふわしていた物から急にハッキリと物が見えるようになった感覚。
それを感じた時、自分の前世というものを思い出した。
大きな災害で死んだ私。
ここでも一庶民として産まれた。
名前は前世のは思い出せないが、今世ではレティシアと名付けられた。
フワンフワンの両親の元、逞しく生きております。
ここはリガルの街。
地方とすればわりと大きい海も山も川もある街で、一応この地を治める領主の館がある。
王都で忙しい人らしく滅多に来ないけど。
それでも回る治世という事は政治の手腕は相当なものなのだろう。

ちなみに今世、魔力のある世界である。
魔法が使えるのだ!
ただ、平民となると生活魔法で精一杯で、基本的に魔術はあまり見ない。
そんな中でお父さんもお母さんも魔術使ってるのは凄いよね!
とはいえ貴族と比べれば弱いよーって言ってたけど。
まぁ憧れたものなのでこれから頑張る。
なんせ今6歳だから。
魔力のある世界なので魔物も普通にいる。
街中で見かけるネズミやら猫やらも魔力を使う。
まぁ弱いってだけで魔物だからな。
小型魔物という括りだ。

そして!冒険者がいる!ギルドがある!
ちなみにお父さんも冒険者と言うやつです。
しっかりしたお家に住める冒険者は少なくともBランク以上。
お父さんはAランクの冒険者。
結構強い方。
でも魔物も強いのいるから油断は出来ないよね。

とにかく、意識ハッキリしたし、前世も思い出したし!
やる事は一つ!

「魔力を使う…とはいえ生活魔法なら出来るよねー。」

そう、苦もなく行える。
なぜならこの世界の赤ん坊は生まれて言葉を覚える、動くと同時に魔力も使うから。
私もベビーベッドにいる頃にお母さんがおもちゃを浮かせて遊んでくれてたり属性魔法であやしてくれていたから魔法は身近にあった。
故に立って歩けて、言葉を話す頃には生活魔法位は皆使えるのだ。
それ以上の効果は属性持ちでなければならない。
一定の効果以上。
火なら生活魔法だと大きければ松明位までの炎が出せるくらい。
文字を練習している時に何故かうちにあった魔術の基礎という本には属性持ちは生まれて大体10歳までの生活環境や家庭環境に左右される事もあると書いていた。
火属性の強い国や火を扱う仕事が身近にある子程火属性持ちが多いらしい。
うちは…そんなもんない。
ただ、一説によれば「個人が使いたいイメージを持ちやすいものほど属性として取得しやすい」とある。
つまり、だ。
環境による、というところはつまり目で見て肌で感じてイメージしやすいからということになる。
普段水と聞くと、平民は井戸から組んだ瓶に貯めた水か噴水の水、川の水くらいだ。
川は別としても、やはり「生活に準ずる基準」でしか捉えられないんだろう。
イメージ力。
大いに結構!
これこそ前世の知識を試す時だ!

「…あんまり外行ってるのバレないようにしなくちゃな…」

街の外は色んな物がある。
外に出て遊ぶのを許された日から街中走り回ってきた。
3歳にして街中の人間が私を知ってるという事実。
…前世引きこもりだったのが嘘のようである。
いや…引きこもってたのはそういう仕事だっただけで……売れない漫画家に朝日は毒なんだよ!!
と、それは置いといて…
去年四歳の誕生日前に見つけた穴場!
入江になっているんだけど、ちょっとした木の実の茂みになんと滝!
崖にもなっていて、まさにファンタジー世界のフィールドだよ。
この滝の上流に街があり、大きな川と街の中で繋がっている。
橋も多い。
氾濫しないための工夫がそこかしこにあるんだよね。
まず雨季になると水かさが増えて運河になるから、雨季の間は屋根付きの船が移動手段。
そうでなくても水路が道と同じく沢山結構な広さであるからゴンドラも移動手段であり子供の頃は乗る為の練習をする。
どうやっても上達しない人の為に道があるようなもんだ。
家の中にも入れる。
だから家は必ず高床式か三階建て。
入口入ってすぐはゴンドラ格納庫であり、雨季の時の為に二階まで吹き抜けである。
夏の間は飛び込みする。

「…おっ!水棲魔物!」

カニやら砂浜に出てきた。
見た事ないやつもいるな…
カニ?エビ?ずんぐりしたエビみたいなカニ。
鑑定あれば問題なく分かるんだけど…これはまた後で図書館行って魔物図鑑だな。
ちなみに滝つぼは2つある。
崖の途中と、そこからまた溢れて砂浜に落ちるのと。
砂浜は魔物達の憩いの場なので、上の滝つぼに上がる。
去年これまた興味本位でやってみた、魔力を筋肉や筋、皮膚といった身体に纏わせて強化するというものだ。
これでスーパーヒーローなみにジャンプしたり出来るようになった。
ちなみに魔力は吸収して自分の魔力に入れて練ると魔力が洗練され量が増えた。
魔力鍛錬と名付けて毎日やっている次第である。

「…生活魔法以上の威力、ねぇ…とりあえず…汚物は消毒!!!」

火炎放射だ!
わははは!素晴らしい威力!ゾンビも怖くない威力だ!

『魔術・フレアバスター習得しました。』
「…へ?」

今…なんか出たよ?
ゲームでお馴染みの…ウィンドウが。
待てよ?これはまさか、ステータス見れるんじゃ!

「ステータス!!…出ないか。」

まぁ、そうだよな。
ちなみにスキルという概念はある。
ステータス自体は教会に行けば見てもらえるけどお金掛かる。
だから知らない自分のスキルを知らないままな人間が多い。
そこは漫画やゲームのようにはいかない。
しかし今確かにウィンドウが出た。
これは…片っ端からやってけって事だ。
火炎放射をしたら魔術が出たのは良く分からんが…
火炎放射はバスター。
撃ちだす系はバスター系。
ならば玉はどうだ?ただの火の玉。
出してもなにも起こらない。
いや、これは操作しなくちゃなのかな?
でかい火の玉を自由自在に動かした。

『魔術・ファイアボールを習得。初級魔術獲得により、火属性取得しました。』

よっしゃ!
これはドンドコやってこー!
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