□転生令嬢
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のんびりしてるように見える道中。
その間は勉強の時間でもある。

「お、いい感じに魔物出たねぇ。」
「ん!」

魔術を教えてもらって、魔術で倒す。
他にも弓の練習…まぁ練習と言いつつ実戦ですけど。

「溜めると貫通した!」
「溜め終わるまでが時間掛かるね。」
「そだな。やっぱ勿体ないよな。」
「ん?」
「そんだけ強かったら騎士団辞めること無かったのに、だよ。」
「仕方ない。仕立て屋継ぐ人に認定されちゃったからねぇ。」

格闘技も火属性の技が増えた。
フェニくんの火属性の魔力を受けてそれをパンチとかにしてたら煉華なる技が増えていた。
鑑定さんで見たら、火を纏い素早い連撃を繰り出す技とある。
使用回数が増えると威力が上がるようだ。
ちなみにわたくしだけでなくラルトさん達にも魔物の火属性付与での技は有効だった。
ラルトさんはショートソード。
火属性の一撃、フレアスラッシュが取れたそう。
サッシュさんはロングソード。
こちらはフレアザッパーという技が増えていたそうな。
ちなみにエミリオさんはバーニングスプレッドという技を覚えたらしい。

「…」
「レティシアちゃん?」
「気になったんだけど…エミリオさんが火属性魔術使う時、ファイアとか威力低そう。なのにバーニングとフレアは威力高い?」
「お、いい所に目を付けたね。そ、発動呪にも意味があるのさ。ファイアは初級、バーニングは中級下位、フレアも中級上位。上級は…インフェルノとかあるけど…」
「あれ?でも上級にフレア・インフェルノという魔術がないですか?」
「そう。フレア・インフェルノは上級下位の魔術だ。まぁ段階別にそれぞれ強い言葉を使ってるんだよ。」
「ファイアよりバーニングが強い?」
「ファイアは火、バーニングは火炎、フレアは広がる炎、インフェルノは獄炎と呼び称されるんだ。古語を使ってるからね。」

こっちは共通語と古語しかない。
話す言葉は国が違えどこの2つ。
だから通訳なんてものはない。
そこは助かる。
たくさん言葉あったら旅所の話ではないからね。

「なるほど…だから水もウォーター、アクアってなるんだ?」
「そうそう。でもそれに囚われないのも魔術の面白い所だ。属性魔術だけじゃないからね。」

それもそうか。

「ていうか…ベンだけじゃなくてフェニくんまで格闘してない?」
「ピィ。」
「ピッ!」
「なんて?」
「近接を覚えておくのも良い手である、だそうです。」
「マジか…鳥魔物が格闘技覚えたら最強じゃね?」
「でも無い、かな?翼痛くないの?」
「ピィ。」
「ヒヨコに出来てフェニックスが出来ない道理は無い、だって。」
「「あ、そう…」」

ん?あれ?

「…ベン…新しい羽根が生えてる!」
「ピッ!?…」
「まだまだおしりは見れないかなー。」
「ピ…」
「白っぽい…」

そういえばちょっと体が大きくなった。

「ベンが生体になれば野宿でも卵食べれるね。」
「ピッ!」
「…へ?」
「知らない?コッケーって有精卵を護る為にオスでも卵産むんだよ。無精卵をばら蒔いて有精卵を隠す習性なんだよ。牧場の手伝いした時にびっくりしたよねぇ。」
「ねー。」
「「へぇ…」」

それとギュータスは子供を持つ親以外でも乳が出る。
親がいなくなったとしても別の個体が育てられるようになっている。
これは凄いよね。
だからこそこの二体はどの国も家畜にするし、ギュータスとコッケーからシフトチェンジした上位魔物はこの特性を引き継ぐ。
上位になると品質も上がるから高級品でもある。
首の後ろとおしりにちょっと大きい白い羽根が生えたベンでした。

「…中々街とか村に着かないね?」
「まぁトランジスト男爵領は村の数も少ないからね。大半が今見えてるこの街道横に広がる森ダンジョンだからね。」
「拠点を置いて、そこから探索は基本。街の方が物資を揃えやすい点があるから街に滞在する。それが増えるからギルドも置かれる…なんだけど…」
「トランジスト男爵領のギルドは空席なんだよね?」
「うん。ギルドマスターの不正で更迭されたからね。」
「まだ後釜が決まってないのか…」
「ただ、ギルドは機能しているはずだよ。出来ることが大半制限はされてるだろうけど依頼なんかはあるだろうしね。」
「ふむ…」

ギルドマスター不在でも受付がいたら出来なくもない、か。
ここに入ってから野宿が多くなった。
ギルドが機能しないと道中の宿屋も無くなるみたいだ。



何日か野宿を続け。

「あっ!見えてきた!」
「トランジスト男爵領唯一の大きな街、ハイデールだ。」

おおっ!レンガ造りの家に…

「あの大っきいのなに?」
「大聖堂だよ。トランジスト男爵は元々教会では教皇なんだ。」
「なんと。」

国の貴族でありながら教皇?

「初代が、ね。街はその名残りで、今の当主は司祭。代々温厚な人柄でめっぽう商売に弱い家系だな。」
「ほぇー…」
「教会と国との橋渡し役で貴族でも何人かは教会の役職に就いてる人がいるんだよ。貴族の結婚式はそういった人が呼ばれるんだ。」

そうなんだ。
ゲームにありそうな街並みだな…
で、入る時…

「「「お待ち下さいませ!!!」」」
「…まさかこれ毎回やるつもりなの?」
「こうしないと領主に報せが行かないでしょ。」

確かにそうなんだけど…
毎回傍系王族って知らせるのどうかな…
あと少し見て分かったけど、恐らくここは教会としての意味が強いんだろう。
領地がどうして持っているか気になったけど、教会としてお布施があるからなんだな。
なんか部屋に通された。

「失礼致します。」
「あれ?シスコにマイク?」
「え?ラルト?」
「久しぶりだな!」
「知り合い?」
「はい。騎士団の同期と一つ先輩になります。」
「へぇ。」
「シスコはお前が辞めた後に聖属性を取得したから戻されたんだ。」
「マイクは?」
「俺は…」
「キンブリーと喧嘩して辞めたんだってさ。」
「ええ…まぁ分からなくもないけど…」
「キンブリーだしな。」
「キンブリー?ってキンブリー侯爵家の?」
「ええ。四男が同期なんですけど…」
「ああ、説明はいいよ。キンブリー家は皆似たような性格だからな。で?なんでお前達が来たの?」
「申し訳ございません、本来ならば領主たる父がお迎えに上がらなくてはなりませんが、少し厄介な案件を抱えておりましてその調査で出ているのです。」
「厄介…?」
「はい…まずは屋敷の方にご案内致します。こちらへ。」

うーん、イケメン。
騎士服が似合いそうだ。
こうして連れてこられたのはさっき見えた大きな建物。

「聖堂と屋敷が一体化してるのか。」

凄いねー
こういうのゲームでしか見た事ないから新鮮。
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