□仮
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「うちの部隊にゃエリート校出の奴は私位だ。来てもグダグダ文句付けて辞める。何故か分かるか?」
「え?」
「世界には、大きく分けて二つのクズと馬鹿がいる。さっき言った犯罪者。そして人を見下すしか能のないエリート気取りの頭でっかちだ。つまりは他のクラスだな。」
「先生…」
「いや、これは学生時代から言ってるんで。難しい数式解けた所で、それを必要とされるのは極一部だ。だけど、普通な生活を送るのに必要なのは数式じゃないな。安定性のある収入と一般常識。だがしかし考えてみな?一般常識に人を見下せとあるか?そんな常識ねえだろ。うちの武装隊の例を教えよう。三年前、二人の新人が入った。一人はお前らも良く知ってる西方樫井の出。つまりは馬鹿。」

それに笑う皆。
だけど笑ってもいられないよー?

「そしてもう一人は頼成高等学校の出。」
「ここよりエリート校じゃん。」
「さて。入隊試験その日、うちの部隊長…有名人だから名前出してもいっか…真上部隊長が1人落とした。さて、それはどちらでしょう。」
「…じゃあ樫井の奴か?あそこ偏差値もすげー低いだろ?」
「…頼成の出の人。」
「あ?若菜知ってんのか?」
「あ
ー…いや…真上部隊長さんなら…」
「馬鹿。真上部隊長だけじゃなく本部長やらも即座に落としたわ。」
「?」
「テストだけ、いい点。は、要らねえの。確にそいつは凄い…まぁ高校卒業すぐにしては凄い魔術を使った。けどね。そいつ、試験管が見ていない所でその樫井出の奴を見下していた。反対に樫井出の奴はまぁペーパーテストボロボロ、魔術もロクに使えない。けど、人一倍に犯罪者を憎んでいた。犯罪者を捕まえるその為だけに覚えたのが…拘束魔術。適性の低い魔術を必死に覚えたんだろうねぇ。ま、現場じゃさしてあんまり使わないんだけどな。その気概と熱意はうちらに必要なもんだな。」
「それだけでエリート出世コースの部隊に入れんのかよ。」
「いや、本来は色々なスキルだとかそんなのはいるよ。ただそんな場合もある、だな。特に一課は重犯罪者対策課だ。レアスキル持ちは勿論いるが、こういう馬鹿正直に正義感たっぷりの奴が採用される事もある。そこで本題に戻る。確かにそこに落ちこぼれクラスとか落ちこぼれ学校と言われる所が幾つかあるが。実際には落ちこぼれはいないという事だ。というかだな?この学校に入れてる時点で落ちこぼれでもなんでもないだろ。西方樫井に
比べりゃ。ここの偏差値は昔から200超えしてんだからよ。入った事はお前達も落ちこぼれというには頭いいんだよ。馬鹿の樫井に比べりゃな。」
「先生…」

あぁ…多分鳥海先生の中の私が下がっているのよねぇ…
そこは諦めよう…

「そして。お前達の魔導能力の成績救済で抜擢されちまったのが私だ。…ほんと教導員免許取るんじゃ無かったぜ…」
「…本当に成績…能力値上がんのかよ…」

一人の言葉に若菜以外が声を上げる。
若菜はというと…青い顔。

「上がるかどうかは…若菜に聞いてみな。」
「おい、若菜どうなんだよ。」
「あ、上がる…よ。多分…」
「はぁ?多分かよ。」
「俺、最初はDランクだったんだよ…」
「は?お前今Bランクだろ?」
「だから上がるよ…姉ちゃんの地獄の特訓に耐えれば…」

その言葉に子供達は一斉に私を見た。

「だから言ってんだろ?お前達の成績を上げるって。安心しな。部隊の訓練でやるようなのは若菜以外させねぇから。」
「俺はすんのかよ!?」
「当たり前だろ。大丈夫、出来る。」
「嫌だよ!!どうせあれだろ!またアリゾナ砂漠とかの魔獣と戦うとかだろ!?」
「アリ
ゾナ砂漠って…結構魔物強いですよね?」
「いや?そんなに強くないよ。」
「そんなの世界ランク一位の姉ちゃんだから言えんだろ!?ふざけんなよ!俺はまだBランクだ!!」
「世界ランク…」
「「一位!?」」
「ふざけてねぇよ。Bランクの時にアリゾナ周辺は制圧したわ馬鹿者が。」
「だから姉ちゃんと一緒にすんなっつの!」
「馬鹿、Bランクの時にアリゾナ周辺制圧はあのハゲだ。」
「だから真上部隊長と一緒にするな!!!」
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