□一話
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「ん…?」

淡く光り差す庭園の様な場所で、ある青年が目を覚ました。

「ここ…は?」
「漸く目を覚ましたか。」
「あんたは?」
「わしはここの管理人の様なものかの。」

老人の言葉に青年が辺りを見回す。

「ここは狭間の庭園という所じゃ。」
「狭間の…?」
「そう、この世とあの世のな。」

老人の言葉に青年が眉をひそめる。

「説明しよう。付いてきておくれ。向こうにもう一人いるのでな。」

言われるままに付いていく。
まるで神殿の様なこの場所は本当に幻想的である。

「待たせたの。」

老人が声を掛けたのはもう一人の青年。
老人に言われ青年と同じ椅子に座らせられる。

「さて、と。まずは…そうじゃ、何故お前さん達がここにいるか。それは…」

老人から聞いたのはとてつもなく嘘臭い話。
青年達はにわかに信じがたかった。

「お前さん達は自分の世界で死んだのじゃ。」
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