□異世界転生
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武器庫に来た。
普通の杖…というとまさに杖。
魔術師の杖は短いロッド、普通の長さのスタッフ、ロングスタッフ、錫杖となる。
勿論メイス等もあるし、人によっては槍とかの長い武器も杖代わりになる。
魔術師と言えど攻撃手段のある職業開花で魔術の要になるような武器になる。

「アスタナはメイスじゃな。」
「「…殴りやすそう…」」
「まぁ殴る目的の杖じゃからの。」

流石破壊者…
メイスは少し小さいスタッフの括りだね。
何故か聖職者職はこれ持つ人が多い。

「レティシアは…おお、これを持ってみよ。」

ロングスタッフ。

「んー…なんか違う。」
「ふむ。ならば…これはどうじゃ?」

錫杖…

「さっきより持ちやすくはあるけどなんか違う。」

と、感じる。

「ふむ…魔力の質で合わないのかもしれませんね。」
「うむ。ならば一々探すと膨大な数を試さねばなりませんな。」
「えぇ…寮の部屋片付けなきゃなのに?」
「うむ…おお、では武器からこちらに来てもらうとするか。」

は?
どうやって?

「なぁに。魔力を流せば良いだけじゃ。高い資質を見せる者がやる手法でもある。魔力操作は出来ておるな?」
「うん。」
「放出し、この部屋に満たしてみるのじゃ。」

よし。
それくらいなら簡単だ。
従魔術も似たようなものだしねー。

「…良し。…」
「む?」

何もないよ?

「いえ。反応はしていますよ。」
「ぬ?…まさか!」

ガタガタ音がしてる?
見ると壁に立て掛けてある鎖付きの箱がめっちゃガタガタしてる。

「よもやこの杖とは…」

おじい様が手をかざすと鎖が光って消えた。
その中から、大きな天球儀が付いた錫杖が出てきた。
ん?

「本に…四つの腕輪?」
「うむ。この本は魔導書グリモワール。ありとあらゆる魔術を集めたもの。四つの輪は腕と足に装着する格闘と製薬資質を持つ者に出るプレースリングというもの。そして錬金術の資質秘める魔術師に反応する天球杖。…全て魔導国家の創立者エデンの所有だったものじゃ。」

なんと!!

「レティ凄ーい!」
「力に振り回されることの無いよう、更に精進せよ。まぁ建物を吹き飛ばしても今後は自分で治すのじゃ。」
「う…はい…」

と、バタバタと音がして。

「じいちゃん!従妹が来たってマジか!!」
「…お前達…晩餐まで待てと言うに…」
「あはは…だけど、私達も会いたかったんだよ。…ああ、ライルに似た優しい瞳だね。」

四人の伯父さん。
お父さん末っ子なんだよね。

「ライル、自分が劣ってるとか思ってるだろう?」
「うん。だから政務の手助けなんて出来ないからお母さんと塔を出たって言ってた。」
「あいつ、先読みなんだよ。未来の事を言い当てるならライル。」

そういえば…

「町では天気予報してたっけ。」
「相変わらずだなぁ…」
「あと植物育成な。」
「ああ、レティのお家大きな畑全部薬草なんだよね。」
「うん。だから思う存分製薬技術を磨けたよ。」
「それはライルだけの力なんだよ。普通薬草を育成なんて出来ないから。」

まぁそうか。

「母さんのいい所全部ライルが持ってったよなぁ。」
「だね。」
「…ならなんでおじさん劣ってるなんて?」
「お父さん、攻撃魔術一切使えないの。」
「え!?あれ?でも魔物倒してたよね?」
「結界術も使いようによっては魔物も倒せる。」
「うむ。結界や占いは見ようによっては恐ろしいものではある。…優しすぎるのはライルの欠点じゃな。」
「…確かに…」

なによ。

「レティがなんでそんななのか不思議なくらいおじさん達優しいもあだだだだだっ」

私の場合前世の下積み時代があるからな。

「…皆学院は卒業してるの?」
「まぁそうだな。一族で最年少はお前だ。」
「くだらないことを言う輩はいますが…」
「そん時は兄ちゃん達に言えよ!」

多分言わないと思うけど。

「あと唯一の女の子だからね…」
「ま、まぁ…伯母さん達に会ったら…付き合ってやってくれや…」

これは絶対奥さんに尻に敷かれてるな。
まぁ親戚が良い人達で良かった。
あと全員碧玉のローブなんだね。

「それとレティシアの幼馴染みのアスタナじゃ。絶対的破壊者と聖女を併せ持つ。皆、鍛錬に関して少し話し合う事にする。レティシアもじゃが、碧玉の塔総力を挙げて良く育ててやらねばな。」
「「?」」
「マジか!」
「また凄い資質だね。」
「マジ羨まし…」
「お前が破壊者でなくて良かったよね。」
「「だねー。」」
「なんだと!?」

まぁ、聖女だもんな。
聖女は確認されてるだけでも「国単位」で一人生まれる。
つまり一つの国に一人生まれ、生まれた国に対して効力を発揮する。
つまり、現代の魔導国家の聖女は間違いなくアスタナ以外いない。
それを擁立出来れば塔としても格が上がるからな。
それだけ何万人に一人の確率の特殊スキルや称号発現は稀少価値が高い。
ちなみに七つの大罪スキルも稀少価値は高い。
が、それ以上に稀少価値があるのは実は回復魔術が使える資質。
昔馬鹿な聖職者が回復術使い達を使い潰してきた為、回復術を使える資質の人間がものすごく減った。
回復術を使える資質はなんと「遺伝資質」だからだ。
回復術使いを聖女・聖人として囲い、婚姻を禁じ、若い内に死亡させて来た聖教会。
今ではその威信も地に落ち誰も有り難がらない。
神を祀るが聖教会には属さないという国が殆ど。
ちなみに魔導国家は魔術の祖と呼ばれる智神マルオークを崇めてます。

「回復術なら教えられるから。詳しい事は休暇の時にお母さんに聞いたら良いよ。」
「え?」
「お母さん、魔導国家で八人しかいない治癒術士の一人だから。」
「えーーー!?…知らなかった…」
「属してた塔のやり方が気に食わなくて出たらしいよ。ええと…翡翠の塔、だったっけ?」
「ああ、あそこな…」
「強引な手を使う輩が多いな。傲慢な奴らもな。」
「んっと…碧玉、翡翠、紅玉…といった宝石の名前の塔は貴族が多い。」
「ひぇ…」
「そうそう。」
「うちも一応貴族。他の国は王政の所があるから舐められないようにそうしたんだっけ?家系的に高魔力だったり特殊スキルや特殊術継承するような家も貴族になるね。うちも一応貴族。お父さんが塔から出てるから平民の暮らししてるけど。」
「王政だとレティのお家ってどんな家格になるの?」
「ん?…」
「公爵家相当、かな?総帥にならなくても魔導国家内では発言権がある家柄だからね。」

しかし、私達の大前提は魔術師なので、普通の貴族とは違うのです。
とはいえ外交とかもあるので…

「マナーレッスンは厳しかったよ…」
「やっぱりおばさんが教えてくれたの?」
「いや、マナー関係はお父さんだね。あれで教える時鬼みたいになるの気付いてないんだから。」
「えー!?」

まぁお父さんきっちりはしてるよね。
公私混同あまりしないし。
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