□異世界転生
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中央に着いたらそれぞれの学校の引率の先生が居て寮まで案内される。
中央だけでも学校は沢山ある。
大人の研究室とかもあるしね。
そんな私が通う中央学術院は政務塔と呼ばれる国の中枢の機関が集まる場所にある。
ちなみに我が国でも貴族はいる。
大抵上位魔術師の家系って奴だけど。

「中央学術院に入学の者はこちらだ。」
「あっちだね。行くよアスタナ。」
「うっうん!」

寮には既に制服とローブが置かれている。
それに着替えてから散策が可能。
ちなみに入学式典は一週間後。
それまでに地理を覚えたり規則を覚えたりなんだりとあるのだ。

「む。推薦書か。」

ちらほら高位貴族がいるな。
平民でも家名はある。

「カイル・グランスタ。推薦書確かに。」

集合地点で推薦書渡して確かに本人だと知らせるのだ。
だからこそ推薦書持ってる人は有名になりやすい。
色んな意味で。

「アスタナ・オルド。推薦書確かに。」
「ほっ…」
「レティシア…クロノワール!?」
「「?」」

まぁ、そうなるよね。

「ゴホンッ…推薦書、確かに…」
「はい。」
「ほう、今年の新入生は粒揃いであるな。」
「っ!賢者様。」
「構わん。迎えに走らされているだけだからな。おお、大きくなられましたな、レティシア様。」
「そりゃ0歳から14歳じゃあそうだけど…」
「ははは!中々スキルも目白押しのようだ。流石は大賢者様の孫のお一人。」
「「っ!?」」
「別に私は私だし。ああ、手紙に書いた幼馴染みのアスタナ。」
「うむ。これまでの状況を考えても何かしらありそうだとオルデン様も仰られていた。教諭、大賢者様が推薦者二人を呼ばれている。寮へは後程案内するので、このまま連れてゆく。」
「か、かしこまりました…」
「レティシア様の封印を解かれた姿を一番に見れる名誉をこのグランツ賜っております。」
「そう?」
「ええ。さ、参りましょうか。」
「ん。」

驚きすぎて固まってるアスタナを引きずって歩く。
政務塔はバカ高くて大きいものばかりだ。

「身分証も確かに。」
「お待ちしておりましたレティシア様。」
「ジルベール。珍しいな?」
「私とあなたで迎えるように、との事です。」

おお、ストレートロングの美人さん。
眼鏡がキャラ立ちしてますな!

「はっ!!」
「ようやく戻ってきた?」
「レレレレティ!?大賢者様の孫なの!?」
「うん。」

そう、この魔導国家の総帥である大魔術師オルデン。
オルデン・クロノワールは確かに祖父である。
ちなみに総帥は度々代替わりするけど家系で受け継ぐものではないので私は「今の総帥の孫」ってだけだ。
大魔術師であり大賢者になれた者だけが総帥の資格を得る。
それは魔導国家全体を維持する結界の維持があるからだ。
色んな物の基礎だったりするので途切れさせると土地自体がヤバい。
だからこそ総帥と賢者が補佐をしているのだ。
国と称していても大前提は国家ではなく魔術師の理想郷だから。
この国の殆どはどこかの国を終われた魔術師の一族達。
迫害されていた者達を纏め護ったのが創立者エデン。
大賢者を総帥にするのはこの人が大賢者だったからだ。
今は魔術師を迫害する所は少ないけどね。

様々なギミックを抜けて一番奥の塔の1番上まで来た。

「良く来たレティシアよ。」
「お久しぶりです、おじい様。」
「うむ。良く練られた良い魔力。精進したようじゃな。」
「楽しく遊んできた。」
「ははは!良い良い。…で、そちらが…ふむ…」
「アスタナ・オルドです!!」
「うむ。元気で良い。ふむ…これは…」
「何か分かる?」
「うむ。血筋的に隠された力じゃの。どれ、ちと調べよう。良いかな?」
「はい!!」

大きな魔術陣がアスタナを中心に展開される。

「む!!これは!!」
「っ!?な、なんか悪い事なのですか!?」
「いやいや、そうではない。よもやこの資質が生まれておったとは。」

ん?

「一万人に一人、どちらの資質も滅多に出んものじゃから町では分からなかったのじゃろう。アスタナよ、お主の資質は…」
「っ…」
「絶対的破壊者と聖女じゃ。」

は。
はぁぁ!?

「何その相反する感じの資質…」
「そうだな…聖女と破壊者が一緒にというのは初めての事では無いか?」
「いえ、見ようによってはさもありなんです。」

え?

「うむ。聖女というのは何も癒しだけではない。悪い「もの」を壊し新たを創造する手助けをするのも、聖女の役目。悪しきを砕き破壊し、善きを広める。まぁ絶対的破壊者の方に引き摺られておるから回復術の項目がやや低めじゃが…鍛錬し慣れれば物を壊さんよ。」
「っ!!!」

絶対的破壊者…

「あれ、破壊者って確か結界とか精神系攻撃も効かないし解除出来るんじゃなかったっけ?」
「え!?そうなの!?」
「その通りです。」

なんと!

「…私の天敵はあんただと分かったのはいい事ね。」
「天敵!?なんでいきなりそんな不穏なの!?」
「得意その三結界術、得意その四魅了系。」
「え、なんでそんなのあんの?」
「色々やってたら色欲と暴食のスキル取れたんだよね。」
「七つの大罪スキルか。ライルからお前のような子が産まれたのは不思議じゃのぉ。」

七つの大罪スキル…

「なんか悪い事でも起きる?」
「ちゃんと制御できておればな。その様子じゃと大丈夫じゃろ。ワシの孫とは納得するの。」
「そうですね。オルデン様は傲慢をお持ちですしね。」
「うむ。七つの大罪スキルを継承したのは孫達ばかりじゃのぉ。」
「覚醒遺伝って結構強いらしいよ。」
「そうじゃな。」
「カイルもそうみたいだし。」
「え、カイルも?」
「うん。ま、自称天才くんより、本物の天才は私って事よね。」
「まぁレティは…」
「二人のスキルから他の塔に貰われては困る故にこのままワシの管理する碧玉の塔所属にしておく。これがローブじゃ。学術院の授業でも着用するのじゃよ。」
「わっ!綺麗!!」
「金と…これブルーサファイア?」
「うむ。碧玉の塔は昔は赤だったんじゃが、ルビーや柘榴石を冠する塔が出ての。ブルーサファイアに象徴を変更せざるを得なかったのじゃ。ブルーサファイアはワシらしか使えぬからの。」
「ん。」
「次はお前達に最も良い武器を見繕わねばの。ついておいで。」

武器!!
他の職業が出てないから杖だよね!
あ、でも薬師出たら確か腕輪になるんだったっけ。
ローブ…魔術師のものだ。
ああ、これから楽しみでしかない!
今まで杖は学校の備え付けのものだった。
固有の杖は自分で、なんだけど…お父さんが買える範囲のやつは壊れる可能性のが高いってお試しすらしなかった。
杖無しで今まで良く出来たわ私…
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