内緒の時間

□ツキプロ×プロセカ
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芸能界は色んな人が働いている。
その中の一人になった。

「うんうん、やっぱり水華ちゃん良いねぇー。」
「ありがとうございます。」

モデルしつつ学校。
学校はそんなに行ってない。
行く必要がない。
芸能活動を支援するような学校だから通信で出来るから。
高校は一応行くけど。

そんな私は路線がフリフリ系統じゃない。
ロックとかそんなの。
クール系統と言うやつです。

「ただいまー。」
「お帰りー。今日はどうだったかな?」
「ん、いつも通り。」
「そう。」

拾われて既に二ヶ月。
少しづつ雑誌に載るコーナーも大きくなってきた。

「そう、今日身長測った。伸びてた。」
「おお!もっとたんとお食べ。」
「う、うん…」

里津花さんは事ある事に何かを食べさせようとする。
大きくなる前に太りそう…
そんな私の最近の趣味。
それはコーヒーショップを巡る事なのだ。

「…ふむ…この辺は学校から近い。狙い目。」

私が在籍するのは神山中学。
高等部もある。
高等部は通信も夜間もやってる所だ。
ビビッドストリート…だっけ?
裏通りでスタジオとかライブハウスが多いんだねー。

「ん?」

今歌声が聞こえた。

行ってみると、同じ歳頃の男の子二人が歌ってた。
ふむ。
中々荒削りな歌声だね。

「ー、はっ…はぁっはぁっ…」
「はぁ…」

勢いだけで突っ走ってる感じがある。
まぁそれを気づけるかどうかがインディーズの人達の勝負所という…とかなんとか志季さんがこの前言ってたっけ。

「…あ?」
「この辺では見ない顔だな。」
「そうだな。」

さて。
さっきいい匂いさせてたところあったから行ってみよう!

で、来た。
WEEKENDgarageか。

「いらっしゃい。」
「…ほ。ここ歌えるんだ。」
「ん?ああ、初めてかい?」
「うん。美味しいコーヒーの置いてるカフェ巡りが最近の趣味。いい匂いしてたから。…」
「ありがたいねぇ。…でもコーヒーよりそっちが気になるみたいだな?」
「初めてこういうカフェ見たから。撮影セット以外ははじめて。」
「…撮影?」
「ん。一応モデルしてる。ああ、あと演奏家?」
「なんでそこで疑問形なんだよ?」
「まだレッスンしかさせてもらってないから。」
「へぇ。どこか音楽家の家かい?」

音楽家は多いけど…
寧ろ現在進行形で親父化してるのは志季さん。

「ううん。お父さんは事務所経営してる。」
「へぇ!そりゃ凄いな。」
「そうかな。」
「ああ。俺みたいな元バンドマンなら分かるが事務所に所属するってだけでも大変だからな。」
「ほー。」
「どこだ?」
「ツキノ芸能プロダクション。」
「ぶふっ!!…さ、最大手じゃないか…ん?お父さん、が、やってるんだよな?」
「うん。」
「…そうか…ま、注文は?」
「アメリカンある?」
「あるぜ。」

アメリカン無いとこもあるんだよな。

「たっだいまー!」
「おう、お帰り。」

女の子だ。

「あれ、珍し。女の子のお客さんとか。」
「いや珍しかねぇだろ。」
「…」

親子…
うちは…放任主義です。

「…、あの。」
「ん?なんだい?」
「あそこ使っても良いんですか?」
「ああ、良いぜ。なんでだ?」
「…修行。して皆を驚かせてやるのだ。」
「ほぉ。まぁ経験って意味じゃ良いかもな。どれするんだ?」

今どれも使う練習してる。
使って感触を知れ、と志季お父さんにレッスンをギューギュー詰めにされた次第である。
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