時の園

□QUARTET NIGHT仲良くしよう!なファンタジー
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十年も人間生活を見れば色々と分かるものだ。
物陰に隠れ、時を待つ。
やはり陰の気配が多い。

「…もう、どうしちゃったのさ二人共。」
「歌に身が入ってねえ。」
「うむ…」
「…ごめん…」

四人が部屋に入る。
その後を追い部屋に入る。
猫はこういう時音もなく後を追えるので得だ。
…ノミには困るが。

「マジでどうした。私情を仕事に持ち込むお前らじゃねえだろ。」
「それはそうだが…」
「…」

少年…確か美風藍という…チラチラと視線が動くな。
その視線を追えば…ほう、陰の気配か。
いや、これは…

「…アイアイ?」
「…なんでもない…」
「少し頭を冷やす。美風も来い。」
「うん…」

この男は分かっている。
見た目…おお、あの氷の国の者か。
ならば陰の気配があっても寄り付かんのはそのせいか。

だがこの状況は良くないな。
一人、やや直情的な者もおるようだしな。

「待てよ!テメェら何を隠してやがる!?」
「それを貴様に言う必要はない。」

焼け石に水だな…

「?」
「今はコンサート中だろうが!」
「ちょっと、ランラン…」
「嶺
二も気づいてんだろ!」
「だから貴様に言う必要がないと!」
「っ!カミュ!!」
「っ!?しまっ…」

ふむ。
不安、怒りを喰らってしまったか。
気配が陰へと変化するな。

「な、なに…これ…」
「これは一体…」
「まさか嶺二達も見えるの?」
「美風、貴様もはっきり見えていた訳ではなかろう…」
「今は、はっきり見えてる…」
「くっ…陰め…」

これは、どうしたものか。

「下がれ、かの氷の国の者。」
「「「「!?」」」」
「幾分か魔力があるようだが、それは滅する力ではなかろう。」
「ね、猫が喋ってる…」
「まぁ今はな。…私も離れている以上力をあまり出せんが…」
『グルッ…グルルルッ』
「まぁ…赤子を捻る様で申し訳ないがな。消えよ。」
『ギャッ…』
「っ!消えた…」

話を聞かねばな。
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