婚活?

□トリップ
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「そして3階が糸布作りです。」
「すっげー…」
「あ、この色の糸この前無かった。緑も足したんですか?」
「うん。刺繍する時にお花模様で緑が欲しいって言われて。」
「でもこんな色の植物良く見つけましたね?」
「あぁ、それ植物じゃないの。」
「え!?」
「ほら、ここの竃、花の繊維そのまま使えるでしょ?」
「うん。」

そ、そうなんだ…

「それを動物の毛でも出来ないかなーって試したら出来たの。ここ、結界無くて魔物退治しなきゃいけないから材料は腐る程あるし。皆使い道に困ってたから貰ってね。」
「へぇー。」
「布って事は機織りですか?」
「ええ。」
「もしかして一人で?」
「?ええ。勿論ですよ?一人でと言ってもついこの前までは糸と布だけでしたから。」
「いやそれでも凄いですよ…」
「そ、そうですか?」
「ねぇねぇ、お姉さん。これは?」
「それは毛糸用の糸車と毛糸玉を作る機材だよ。」
「てことは羊の毛も刈らないとダメだね。あれ?羊って何匹いるの?」
「えーと白と黒と赤青緑にピンクと水色…」
「か、カラフル…」
「この世界は染色が殆ど無いんですよ。それぞれ同じ種でも色違い
が沢山いますから。」

ん?この世界…って事は?

「あれ?言って無かったっけ?お姉さん達もオレたちと同じ様にここに来た人だよ。さっきも言ってたじゃん。能力貰ってって。」
「…」
「もー…お兄ちゃんしっかりしてよー。」
「す、すいません。」
「ふふっ大丈夫ですよ。で、お仕事ですけれども…動物のお世話大丈夫ですか?」
「え?あ、はい。大丈夫です。」

うん、最近はアレルギー出ないし。
この前犬にじゃれつかれたけど痒くならなかったんだよ。
病院は高いから行けなくて分かんないけどな。

「朝から重労働なので、適度に休憩してくださいね。」
「朝はオレたちも手伝うから大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう。それから…1か月に一度位ですけど魔物が襲って来ます。この時は村の方に移動して魔物退治です。」
「この前凄かったんだよね。」
「うん、数が多くて…」
「それをあっさり殲滅しちゃうお姉さん。」
「…え…」
「ひっ一人じゃないですよ!?」
「ダントツで倒してた。」
「そりゃ…まぁ…他の人より倒してたかもだけど…」

うん、強い女性も魅力的ですよ!

「とりあえず毎朝の餌や
りと、毛刈は一週間だそうですので、今日したら一週間後ですね。」
「そんなに早いの?」
「うん、そうらしいのね。一応毛刈ばさみは沢山あるので、あの子達に慣れてもらう為には皆での方が良いかも。」
「量も多いしね。」
「これくらいの重さなら全部念力で使えるので大丈夫なんですけどね。」
「凄っ」
「お兄ちゃんは細かい動き苦手だよね?」
「ん?うん。物を移動させるのはな大丈夫なんだよ。稼働は難しい…」
「羨ましいです。私は重い物は浮かせられないので荷物運びには使えないんですよね。」
「まぁ荷物運びは任せてよ。」
「はい。お願いします。」

あぁ、本当に可愛い人だ!!
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