内緒の時間

□ツキプロ×プロセカ
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初めまして!
私霧澤水華です。
現在中学二年生な私ですが…

路頭に迷っております!

理由は簡単。
家から追い出されたんですね。
元々母親の連れ子として私は現在の父親と暮らしていました。
ただ、母親も、父親も、私にはぞんざいでした。
二つ下の妹(父親は違いますね)を可愛がり、私の事は奴隷だったのです。
まぁ酷い親共はどうでもいいんですが、本来なら親の庇護をされるべき中学二年生な私は、先程家から追い出されたのです。
理由?面倒になったから、と言われましたね。

「生きてくにはどうしたらいいかな…」
「おやぁ、その歳でもう生活の心配かな?」
「?」

振り返ると優しそうなおじさんがいました。
スーツです。

「さっき家から追い出されたんです。」
「…それは俗に言う虐待というやつかな?」
「みたいですねー。」
「ふふっ面白いお嬢さんだね。…ならいい方法があるよ。おいで。」

とりあえず、いつもポジティブ思考の私もこの時は参ってたんでしょう。
普段なら怪しんでついて行かないもんですが、普通について行ってしまいました。
怪しい人にはついて行かない事ですよ!

「…ここは…」
「撮影スタジオってやつだね。」
「え、こんにちは?」
「やぁ。ええと…うん、うちの新しい子なんだけど。とりあえず色々しちゃって良いからお願いするよ。」
「…はい!」

と、やけに張り切ったお兄さんに拉致され、着替えさせられ、初めてと言っていいメイクもされ、髪も弄られ、そして分からぬままポイッと何やら白い壁のライトアップされた所に放り出されました。
何事。

「名前は?」
「霧澤水華、です…」
「水華ちゃんね。とりあえずそうだね…腰に手を当ててこっちを向いてくれるかい?キリッとしてね。」

腰に手を…こんな感じかな?

「そうそう!良いねぇ。指示してすぐ出来るなんて君良いよー。」

はぁ…
一通り本当に撮影されて、またあの優しいおじさんの所に戻されました。

「うん、見込んだ通り良いね。」
「えと、ありがとうございます??」
「ふふっまぁでも…僕が言うのもなんだけど…知らない人にホイホイ着いて行ったらダメだよ?」
「あ、はい…」

まぁそうですけどね。

「…楽器は何か出来るかい?」
「いえ…そんなのも私はさせてもらえなかったので…」
「…。じゃあやってみたい事はあるかい?」

やってみたい事…

「楽器…」
「楽器?」
「曲を演奏とか、してみたい。」
「ふむ。じゃあ、もう少し付き合ってもらおうかな。」

この人は良い人。
ちゃんと人を見てる。
なんとなくそう思った。
そして来たのは…

「…ツキノプロダクション…」
「うん。やぁ皆。」
「「「「「っ!社長!!今までどこに言ってたんですか!!!」」」」」
「あはは。ちょっと良い子見つけてねぇ。」

しゃ、しゃ、社長!?

「ん?あれ?言ってなかったっけ?」

思わず首を横にブンブンしてしまった。

「あれー?」
「社長!それは誘拐になるからやめてください!!」
「先に名乗らないと!!」
「あはは。まぁ大丈夫だよー。じゃ、行こー。」

なんとなく、事務所の人は苦労が多いのだと悟った。
で、今度こそ連れてこられたのは…ピアノ?

「弾いてごらん。これね。」
「えと…指とか…」
「ああ、今はそんな難しい事は考えなくていいよ。」

そう?
一応弾く。
楽譜の見方は音楽の授業でやった。

「ふむ。…なら水華。適当になんか弾いてごらん。」

て、適当…

「ん…」

ああ、でもピアノ触れてる。
学校ですっごく弾くの楽しかった。

「…うん。」
「社長…これは…」
「ふふっ良い子見つけたなぁ。とは言え、事情も事情だから…しーくん。任せたよ。」
「は…は?」

楽しく弾けた。
ふと気付くと見た事ある人が増えてた。

「うん、凄いねぇ。じゃあしばらく、このしーくんの所でモデルとピアノレッスン。頑張ろうか。しーくん、寮に案内してね。」
「…はい…」

凄い深い溜息…
って今なんて言った!?

「ん?ああ、君は凄い子だよ。いい曲だったね。てことで君は今からこのツキノプロダクションの所属モデルだ。」

なんですと!!

「安心しなさい。家の事は私がやっておくからね。」
「っ……生きて、いける?」
「うん。でもその為にはお仕事頑張ろうね。」
「…うん。」
「じゃ、しーくんよろしくねー!」

え、行っちゃった…

「…篁さん。」
「ああ。聞いた。まぁ、どんな事があれ、手に職はいい物だ。いい曲だ。初めて弾いたのか?」
「はい…」
「ピアノが出来ずとも今は色々な作曲方法がある。しかしまずはモデルが優先だ。…お前の頑張りが給料になるんだからな。」
「っ!!」
「さあ寮に行くぞ。」
「はい!!」

こうして私は分からないまま芸能事務所へ所属することになりました。

「しばらくは…俺が見る。とは言えモデルは先輩が既に他にいるから、そっちを宛てがう。」
「先輩?」
「ああ。…着いたな。ここだ。」
「…キレー…」
「灰月、この後全員に話した後、必要な物を買いに行く。」
「ああ、聞いてる。全部経費だから領収書、な。」
「ああ。」

灰月さんは篁さん…アイドルのSolidSのマネージャーさん。
有能さが滲み出てると思う。

「ははっじゃあまた後でな。」
「はい。」

連れてこられたフロア。
ここでSolidSが生活してて、ここはアイドル達の寮。
そして別のフロアにQUELLやGrowth、SOARA、Vazzy、ROCKdownがいると聞いた。
そしてこれからSolidSのフロアの一室が私のお部屋になるらしい。
部屋…初めてだ。

「広い…」
「よし。向こうに行く時は必ずスリッパだ。」

用意されたスリッパ。
大きい…

連れてこられたのは大きな部屋。

「里津花。」
「あ、お帰り。…女の子?」
「今日社長がスカウトというか拾った水華だ。任された。」
「何でまた…」
「…一番歳上だからだ…」
「ああ…」
「いや、活動的にも落ち着いているしな。モデルから、という事で、先輩だ。」
「はい?」
「えと…よろしくお願いします。霧澤水華です。」
「ああ、うん。SolidSの世良里津花です。モデル?」
「最初連れていかれたのが撮影スタジオでした。」
「なるほど…それで俺。」
「お前と凰香がモデルの仕事を続けているからな。翼と大は?」
「まだだね。」

で、説明。
したら…

「…っ…水華!しっかりお食べ!!」
「えと…こんなに食べれない…」
「まぁ毎日少しづつ増やせばいい。…作りすぎだ。」

食事は二日に一度位と話した途端にキッチンに立ち様々なご飯が出てきたというか作ってた。
そもそもそんな食事事情なのでたくさん食べれません。
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