内緒の時間

□異世界転生冬フェン
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「へー。そんな仕組みだったんだー。」
「まぁ戻れない気はしていたが…」

勇者さん達に勇者召喚システムを話した。
あと私達の事もね。

「奴らマジかよ…各種族の長の子供狙うとか…」
「神狼の怒り買ってそうだよなー。」
「ほ、本当に冬フェンリル様!?」

あ、この人魔狼大陸の人なんだね。

「うん。冬フェンリルの次期長のレティシアだよ。」
「こっちが次期長だった!!」

む。
いっちょ戻る!

「今は暑さ対策で他の属性前にしてるだけだし!父様が戻って来たから次期長なだけでいない時はちゃんと長として頑張ってたからね!」
「っ!!は、はい!申し訳ごさいません!御無礼を申し上げました!!」

平伏した…

「俺はスノウピーク王国第二王子、アルバートと申します!!」
「え、ラディエルの弟?」
「すげぇ…似てない…」
「いやぁ、俺は母上似なので……まぁ強いのは強いですけど!」
「まぁ冬の民だからな。暑くねぇの、お前。」
「いえいえ!結構外に出て長いんで!慣れました!」

まぁ人間だしね。

「タカヒコ、悪いけど先に魔狼大陸に向かって良いか?」
「おう。勿論良いぜ?そもそもどこに行くかなんて決まってないし。」
「助かる!」

何でまた外に出てるの?

「いやぁ実は…俺奴隷商人に捕まってしまってですね…」
「「「「は。」」」」
「抜け出してずっとここにいるんですよ。あ、父上には脱出した後世界見てくるって手紙書いてますから大丈夫です!」

この人大丈夫かな…
冬が復活した今のスノウピークに戻ったら凍っちゃうんじゃ…

「大丈夫です。昔逃げ出した時に保護してくれたのが実はとある山にいた冬フェンリル様でして。本格的では無いにしろ、冬フェンリル様のご威光はしかと感じております。」
「…そんなに冬フェンリルのもたらす冬というのは厳しいのか?」
「そりゃあね!全てが凍る極寒の地だから。…歴代でもショウレイ様のご威光が一番強いと思います。何せ魔族と戦い勝利されているし…その時の魔力ではスノウピークは凍り他の季節まで冬と化したという伝承が…」
「ああ、フィオンと雪綿が出来た件の事だね。その山のフェンリルはなんて名前なの?」
「アルバ様です。…恐らくまだあの山に居られるかと。」

なんで?

「アルバ様は昔、魔族によって両足が動かないのです。しかもその動かない足は魔族の忌まわしい魔術によって縫い止められておられる…」

なんですって!!

「上半身だけで勝ってきたお強い方です。うん。」
「アルバ…生きてたのか。」
「知ってる人?」
「俺らが子供ん時に嫁と息子を殺されてそいつを追いかけてった人だよ。俺らの代の長フェイレイ…つまり長の父親だが…その兄上殿だ。レティシアからしたら祖父の兄だな。」
「なんと!大叔父様って事ね!その山どこ?」
「ああ、それはこの近くです。実はそこに寄っていこうって事でして。」
「…寄っていこう。私行きたい。」
「ああ、勿論だ。」
「俺も行こう。まだ二人だけのパーティーではデセルガ山脈は厳しい。」
「ですよねー…」

東條君見たとこ普通っぽいんだけどな。

「そうだな。ま、俺らが見て分からない事もアイツらなら分かるだろ。」
「とにかくまずは休息を。」
「ここは我々が見ている。ゆっくりするといい。」
「お言葉に甘えようぜ。ミシェルはもう限界だろ?」
「うぅ…もうダメ…」

ぽひゅんとミシェルが狼型に戻る。

「部屋を一室用意出来ねぇか?このままじゃ暑い。」
「あ、俺の部屋を使って下さい。」
「…あれ、俺の部屋って俺もだよね…」
「タカヒコ!冬フェンリル様は何においても優先されるべき事柄だぞ!!」
「ええー…」
「諦めな。魔狼大陸の出身の奴はフェンリル至上主義だから。」
「ねー。」
「マジでぇー?良いけど…」

部屋に案内されて。

「わふんっ」
「うわっ寒!!何これ寒!!」
「ふぅー…ようやく一心地、ってとこだな。」
「助かります…」
「あー、故郷の寒さ……ここらで1度帰っておかないと兄上が怖いな…」

別の意味でガタブルしてる…

「ラディエル結構容赦ねぇもんな。」
「ふっ…兄上は幼い頃から王太子として修練に励まれ…」
「涙出てるぞアル…」

ま、一緒に帰ろー。
その前にまずは休息。
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