アイドル2

□ツキプロ
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アイドルなんて、遠い遠い世界のテレビの中の事。
普段には無いもの。

だと思っていた。



「おかーさー…」
「…水華ちゃん。」

嫌な予感。

「…なにかなお母さん。」
「うふふっ」

私のお母さんとお父さんはちょっとした有名人。
なんせ今、私の年齢は16歳。

お母さんは「まだ」32歳。
お父さんは37歳。

つまり、私の両親は若いんだ。
小さいけど、オシャレな街でブティックをやってる。
お父さんは街のイベント…主にコンテストだけど、その主催者(お金持ち)。
お母さんはそのコンテストを盛り上げるきっかけになった火付け役。
モデルして、ブティックして、メイクもして、美容師までしちゃう。
オシャレに関しては凄い人。

まぁそんな中で育ってきた私ですが、そんなお母さんから超笑顔で呼び止められた。
いや、私友達に服頼まれたの出したいんだけど。

たまにブティックとメイクの手伝いしてます。
お父さんは忙しくてあんまり会えないけどね。

「水華ちゃん。お母さんね、芸能事務所にスカウトされちゃった!」
「うん、おめでと。」
「でもお母さん芸能人は
やる気ないの。」
「知ってる。街の女の子にキラキラをあげたいからそれはしないんだよね。知ってる。」
「そう!だからね!」

うん、嫌な予感。

「水華ちゃんが行ってきてね!」

お母さんの中で決定事項のようだ。
分からない時は聞いてくる。
どうする?って。

行ってきてねって言ったよ…

「お父さんも行きなさいって!」

マジか。

と、見えたのは、テレビでしか見ないアイドル、SolidSだった。

「何故。」
「ふふっこの前のお父さんのテレビのお仕事でお母さんも着いてったでしょ?その時にね?」

ああ、あのゲスト出演の時の…

「…」

にこにこと見る母には何を言っても無駄である。
産まれてからずっとそうでしたので。

「…分かった。とりあえずマミちゃんのパンツ、出していい?」
「ええ!」

待たせて悪いな、マミマミ。
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