アイドル

□SolidS6
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昔昔。
馬鹿な親がいた。
子供を利用しようなんていう馬鹿な親。
子供達はそれに耐えた。
いつか、良くなる日が来ると。
それは長く辛い日々だった。

それが終わったのは人の感覚では数年。
その数年は子供では長いものだった。

救いの無い毎日で、幼い姉弟の寄辺はお互い。
特に弟は年の離れた姉に護られていた。

寄り添って、生き抜いて。

苦しい状況で助けられ、そして力を手にしてきた。
が。
二人は新しい土地に移ることを望まなかった。
それは、弟が患っていた病気が、向こうでは完治出来ないものだったからだ。
幼い姉弟の為にたくさんの人が援助をしてくれた。
そのお陰で弟の病気は手術で完治し。
そして時折、その力で戦いながら、今を生きていた。



そして、月日は流れ。
弟はサッカーが好きな16歳。
姉は医者として、既に「麒麟児」「天才」などと揶揄される程の実力を持つ24歳。
共に、魔法を持ちつつ普通の人として暮らしていた。

そんな、ある日。







「「「「…」」」」
「お、おねがいします…この事は誰にもっ」
「い、言わないけどさ。
なんなの、あれ。」
「いや、オレもよく…今日初めて見るし…」

オレ霧澤夕莉16歳!
サッカー部の高校一年生でっす!

あんま覚えてないけど。
オレと姉ちゃんは昔、魔法のある世界にいて。
なんか色々あって?
今は魔法のない管理外世界に住んでます。
事件も無くて、正直ウハウハだったんだけど。
今日、何かに追われてる人達がいて。
助けたのは助けたけど色々な偶然があって、魔法を見られるという…

姉ちゃんに知られたら殺される!!

「殺されるって…」
「地獄で地獄なアンクロ修行がっ」
「「「「(どっかで聞いたな、それ…)」」」」

って言うかこの人達アイドルの!

「バラさない。の、代わりに。」
「?」
「いつまたあんなのあるか分からないでしょ?護衛…してもらったら?」
「流石にそれは無理だろう。寮の場所は教えられないし。何より彼も生活がある。」

QUELLの和泉柊羽さん、だっけ…姉ちゃんが好きそうな人だなぁ。
あとSolidSの村瀬大さん、Growthの桜庭涼太さん、そんでSOARAの七瀬望さん…
芸能人だー…

「ふむ。一つ手はあるが。」
「何が
あるんだ?」
「無論。違和感無いよう、俺達がスカウトをする。」

…はい?

「本気か?」
「ああ。」

はい?
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