IS〜銀の軌跡
□episode 7
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「なんだ!?あいつらは・・・」
突如としてアリーナに侵入してきた三機のIS
「よし、到着だな。さっさと目標を回収して帰るぞ。まったく、これでは子供のお使いではないか。
あの女、人を雑用と勘違いしているんじゃないのか」
先頭の、紫色のISを身に纏った女が愚痴も交えながら急かすように言う
ぱっと見た感じでは千冬と同じくらいか少し歳上に見えるが
「文句を言わない。機体を作ってもらった借りは返さなといけないでしょう」
ライトグリーンのISを装着した少女が言い聞かせるように言う
一見すれば、一夏達よりも若干歳上。ライと同い年くらいに見える金髪の少女
「二人とも無駄話はそこまでだ。任務を済ませるぞ」
白と黒の頑丈そうなISを装着した、褐色の肌の威厳溢れる女性の一言に、二人は渋々といった様子で返事をした
どうやらこの三人の中ではリーダー格のようだ
三人は先ほど一夏たちによって機能停止に追いやられたISに視線を向けた
◇
「山田先生。データの照合を」
千冬の言葉に端末を操作する山田先生
「ダメです。あの三機は現在確認、登録されているどのISとも一致するデータがありません」
「つまり新型・・・それも極秘に開発された物と考えるべきか。
次から次へと・・・」
千冬は苛立ちを隠せず、せわしなく端末の画面叩く
「どうして・・・ナイトオブラウンズが」
二人に聞こえないほどの小声で呟くライ
見間違えるはずはない。あの三人は間違いなくナイトオブラウンズ。
そして装着しているISは彼女たちの専用KMFをライ同様IS化したものだ
(C.C.!!どういうことだ!!なぜラウンズがここに!この世界にいる!!)
(私にもわからん!もし知っていたら、こんな重要なことを話さないはずないだろう!)
(くっ!だが、彼女たちは確かにあの時・・・)
ルルーシュが皇帝に即位したことに反旗を翻したラウンズたち。
ペンドラゴンに攻めてきたラウンズの中に、あの三人もいたのだ
だが、ナイトオブゼロとなったライとスザクによって、反旗を翻したラウンズは、ジノ以外全員戦死したはず
(そちらの世界に干渉しようとしている者たちとは、彼女たちのことなのか?)
(まだ確信がないが、恐らくは・・・もし違ったとしても何らかの関係があるのは間違いないはず)
(なんとか、穏便に話し合うことができればいいが・・・そううまくはいかないだろうな)
自分と彼女たちは敵どうしであり、互いに刃を交えあった
しかも、自分は彼女たちを容赦なく撃墜した張本人。
恨みもあるだろう
(戦いは避けらないか・・・)
おそらく自分が彼女たちと顔を合わせると、戦いになるだろうと用意に判断できる
「だとしても、逃げるわけにはいかない」
◇
「おまえら、一体何者だ!何が目的だ!!」
「何者って言われると・・・う〜ん、どう言えばいいやら」
一夏の呼びかけに先頭の女は顎に手を当てて何やら考え込む
「よし!こういうのはどうだ?そのガラクタを廃品回収しに来た謎の女その1だ」
腰に手を当てて豪快に笑う女
「ちょっとノネット。その1ってことは私たちもそれに含まれてるってことよね?
勝手に変なグループ名をつけないで」
金髪の少女が呆れたように言う
「相変わらずノリが悪いなモニカは。
そんなんだから男の一人もできないんだぞ」
「なっ!!大きなお世話よ!!人の事より自分のことを心配したら。
もういいオバサンなんだから!!」
「私はまだ二十代だ!!」
ぐぬぬぬぬ!!っと顔を突き合わせて口論を始めるノネットとモニカ
(「「「「何こいつら・・・?」」」」)
いきなりやって来て、自分たちをそっちのけに口げんか始めた二人を、一夏たちはキョトンとした顔で眺めていた
「と、とにかく、おまえらの目的がコイツの回収ってことは、コイツを送り込んできたのはおまえらか?」
ごほんと咳払いをして改めて問いただす一夏
「いや、癪なことだが、私たちはそれを回収するよう言われてここに来ただけだ」