IS〜銀の軌跡

□episode 7
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「なんだ!?あいつらは・・・」



突如としてアリーナに侵入してきた三機のIS




「よし、到着だな。さっさと目標を回収して帰るぞ。まったく、これでは子供のお使いではないか。
あの女、人を雑用と勘違いしているんじゃないのか」



先頭の、紫色のISを身に纏った女が愚痴も交えながら急かすように言う



ぱっと見た感じでは千冬と同じくらいか少し歳上に見えるが




「文句を言わない。機体を作ってもらった借りは返さなといけないでしょう」



ライトグリーンのISを装着した少女が言い聞かせるように言う



一見すれば、一夏達よりも若干歳上。ライと同い年くらいに見える金髪の少女



「二人とも無駄話はそこまでだ。任務を済ませるぞ」



白と黒の頑丈そうなISを装着した、褐色の肌の威厳溢れる女性の一言に、二人は渋々といった様子で返事をした



どうやらこの三人の中ではリーダー格のようだ





三人は先ほど一夏たちによって機能停止に追いやられたISに視線を向けた












「山田先生。データの照合を」



千冬の言葉に端末を操作する山田先生



「ダメです。あの三機は現在確認、登録されているどのISとも一致するデータがありません」



「つまり新型・・・それも極秘に開発された物と考えるべきか。
次から次へと・・・」



千冬は苛立ちを隠せず、せわしなく端末の画面叩く



「どうして・・・ナイトオブラウンズが」



二人に聞こえないほどの小声で呟くライ



見間違えるはずはない。あの三人は間違いなくナイトオブラウンズ。
そして装着しているISは彼女たちの専用KMFをライ同様IS化したものだ




(C.C.!!どういうことだ!!なぜラウンズがここに!この世界にいる!!)




(私にもわからん!もし知っていたら、こんな重要なことを話さないはずないだろう!)




(くっ!だが、彼女たちは確かにあの時・・・)




ルルーシュが皇帝に即位したことに反旗を翻したラウンズたち。
ペンドラゴンに攻めてきたラウンズの中に、あの三人もいたのだ




だが、ナイトオブゼロとなったライとスザクによって、反旗を翻したラウンズは、ジノ以外全員戦死したはず




(そちらの世界に干渉しようとしている者たちとは、彼女たちのことなのか?)




(まだ確信がないが、恐らくは・・・もし違ったとしても何らかの関係があるのは間違いないはず)



(なんとか、穏便に話し合うことができればいいが・・・そううまくはいかないだろうな)



自分と彼女たちは敵どうしであり、互いに刃を交えあった



しかも、自分は彼女たちを容赦なく撃墜した張本人。
恨みもあるだろう



(戦いは避けらないか・・・)



おそらく自分が彼女たちと顔を合わせると、戦いになるだろうと用意に判断できる



「だとしても、逃げるわけにはいかない」









「おまえら、一体何者だ!何が目的だ!!」



「何者って言われると・・・う〜ん、どう言えばいいやら」




一夏の呼びかけに先頭の女は顎に手を当てて何やら考え込む




「よし!こういうのはどうだ?そのガラクタを廃品回収しに来た謎の女その1だ」




腰に手を当てて豪快に笑う女




「ちょっとノネット。その1ってことは私たちもそれに含まれてるってことよね?
勝手に変なグループ名をつけないで」



金髪の少女が呆れたように言う



「相変わらずノリが悪いなモニカは。
そんなんだから男の一人もできないんだぞ」




「なっ!!大きなお世話よ!!人の事より自分のことを心配したら。
もういいオバサンなんだから!!」



「私はまだ二十代だ!!」



ぐぬぬぬぬ!!っと顔を突き合わせて口論を始めるノネットとモニカ




(「「「「何こいつら・・・?」」」」)



いきなりやって来て、自分たちをそっちのけに口げんか始めた二人を、一夏たちはキョトンとした顔で眺めていた




「と、とにかく、おまえらの目的がコイツの回収ってことは、コイツを送り込んできたのはおまえらか?」



ごほんと咳払いをして改めて問いただす一夏



「いや、癪なことだが、私たちはそれを回収するよう言われてここに来ただけだ」
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