IS〜銀の軌跡

□episode 6
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クラス対抗戦当日



第二アリーナ第一試合の組み合わせは一夏と鈴



噂の新入生同士の戦いとあって、アリーナは満席。
それどころか、通路まで立っている生徒が埋め尽くされている



会場に入れなかった生徒、関係者はリアルタイムでモニター鑑賞していた



鈴と対峙している一夏は、鈴の纏っているISに視線を向ける



鈴の専用機“甲龍”《シェンロン》は、ブルー・ティアーズ同様、非固定浮遊部位《アンロック・ユニット》が特徴的な第三世代型IS



肩の横に浮いた棘付き装甲が、やたら攻撃的な自己主張をしている



『それでは両者、規定の位置まで移動してください』



アナウンスに促されて空中で向かい合う二人



そんな一夏を、ピット内のリアルタイムモニターを通して見守る箒



箒だけではない、ピット内にはライにセシリア、そして千冬に山田先生までもが集まり、試合を観戦していた




「始まりますね」



「ああ」



ライの隣に立つ千冬が頷く



「試合が始まる前におまえに言っておかなければならないことがあったな。一度しか言わないからよく聞け」



少しばかり恥ずかしそうに頬を染め、ライに向き直る千冬



「出来の悪い弟が世話になったな。姉として一応礼を言っておく。ありがとう」



照れたように言う千冬。
千冬の突然の行動に、その場にいた全員が目を丸くして驚いていた



「いえ、気にしないでください。
それに一夏にクラス代表を押し付けたのは自分ですし、これくらいのことはして当然です」



「っ!そ、そうか」



赤くなった顔を隠すように、そっぽを向き、モニターに視線を戻す千冬



(「ま、まさか織斑先生もライさんのことを・・・」)



千冬の様子を見て危機感をいだくセシリア




試合開始を告げるブザーが鳴り響くと同時に一夏と鈴は動いた









一夏の雪片弐型と鈴の青竜刀《双天牙月》がぶつかり合い、金属特有の甲高い音が響き渡った



物理的な衝撃で弾き返される一夏だが、ライとの模擬戦で体勢の立て直し方を学んでいた一夏は、鈴を正面に捉えた状態で体勢を立て直した



「ふぅん。初撃を防ぐなんてやるじゃない。けど―――」



二本の双天牙月を連結させて、バトンを扱うかのように回転させる鈴



両端に刃がついているため縦横斜めと多彩な角度から攻撃することができる



おまけに刃が高速で回転しているため刀で防ぐのも一苦労のようだ



このままでは消耗戦になると判断した一夏。
零落白夜にはシールドエネルギーを消耗する。ゆえに、ある程度余力を残しておかないと勝機は無い



一旦距離を取ろうとする一夏だが



「―――――甘いっ!」



その行動は読んでいた、と言わんばかりに叫ぶ鈴。
鈴の肩アーマーがスライドして、中心の球体が光った瞬間、一夏はまるで見えない何者かに殴られたかのように吹き飛ばされた



一瞬意識が飛びかけた一夏だが、すぐに意識を覚醒させて、鈴を視界に捉える



鈴の攻撃は当然、止むことはない



「今のはジャブだからね」



にやりと不敵な笑みを浮かべる。牽制(ジャブ)の後には本命(ストレート)と決まっている



「ぐあっ!」



またしても視認不能の何かに殴られて、地表に打ち付けられる一夏



シールドバリアーを貫通して、ずきんっとした痛みが響く。
ダメージも食らい、エネルギーが大きく減っていた










「なんだあれは・・・?」


リアルタイムモニターを見ていた箒がつぶやく。
モニター越しに見ても、まるで見えない何者かに殴り飛ばされているように見えるのだから無理もない



「『衝撃砲』ですわね。空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃それ自体をを砲弾化して打ち出す―――」



セシリア曰く、ブルー・ティアーズとのビット兵器と同じ第三世代型兵器だそうな



「しかも、砲身も砲弾も不可視。
おまけに360°どこからでも撃てるみたいです。
ある程度の速射も可能かと」



甲龍のデータを表示し、衝撃砲の詳しいデータを解説してくれる山田先生
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