IS〜銀の軌跡

□episode 3
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時間は流れ、翌週 セシリアとの対決の日



ライと一夏、箒は第三アリーナ・Aピットに来ていた



「それで、特訓の成果はどうだい?」



「剣道の方はみっちりしごかれたから、だいぶ感が戻ったきがするけど・・・」



頭をかきながら苦笑いする一夏



「ビット兵器の対策は思いつかなかった・・・と」




「面目ない・・・」



うな垂れる一夏。隣にいた箒も腕組みしながら溜め息を吐く



「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」



ピットのドアが開いて、慌ただしく駆け込んできた、副担任の山田先生



慌てている様からは、年齢以上に幼いような印象を受ける



「落ち着いてください、先生。はい、深呼吸」



「は、はいっ。す〜は〜、す〜は〜」



一夏の言葉を真に受け、本当に深呼吸し始める山田先生



「はい、ストップ」



「うっ」



しかも本当に息を止めた



「・・・・・・・・・」



「・・・ぷはあ! ま、まだですかあ?」



パアン!



「目上の人間には敬意を払え、馬鹿者」



弾けるような打撃音。山田先生の後ろから現れた千冬が、出席簿を一夏の頭に振り下ろしたのだ



「織斑先生、山田先生。何か問題でもあったんですか?」



「ああ、織斑の専用機の到着が予定より遅れている」



「ということは、僕が先に試合をするんですね」



「そうだ。準備はいいか?」



「いつでも大丈夫です」



ISを起動させるライ。全身を光の粒子が包み込む



光の粒子が消えた先には、頭部に膝や肘といった関節以外を、白をベースに青の装甲に身を包んだライの姿があった



「これがライのIS・・・」



「そう、これが僕のIS。ランスロット・クラブ」



「ほう、お前のISは既存のものと比べてかなりスマートで細身・・・限りなく人に近い形状をしているな」



興味深そうに言う千冬。山田先生も興味津々といった様子だ



「ええ、機動性能と追従性を主眼に置いた結果、この形状になりましたから。反面、見ての通り装甲は薄いため、防御力は低いですけどね」



納得したように頷く二人



ゲートに向かうライに、箒が「がんばれ」と声をかけ、頷くライ



「一夏」



「ん?なんだ」



「よく見ておくといい」



「お、おう」



ライはゲートに向かって歩き出す



(緊張するか?)



ゲートのカタパルトに到着し、時を待つライにC.C.が話しかけてきた



(ISを使っての戦闘はこれが初めてだからね。少しは緊張しているさ)



(おまえがあんな女に後れをとるとは思えないが・・・まあそうだな、今回は特別に私が発破をかけてやろう。ありがたく思えよ)



(はいはい)



(ライ・・・格の違いを見せつけてやれ)



(ああ、了解した)



言い終わると同時にカタパルトが起動し、アリーナへ射出されるライ



フロートユニットが両翼を広げて飛翔する



空中からぐるりとアリーナを見渡すライ



観覧席には既に多くのギャラリーが集まっている



視線を正面に向けると、対戦相手のセシリアが、鮮やかな青い機体を身に纏い佇んでいた
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