IS〜銀の軌跡

□episode 2
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IS学園 食堂



時間は昼休、食堂内は生徒でにぎわっている。そんな中・・・



「申し訳ない!!」



突然自分に頭を下げてくる篠ノ之箒の姿に、目をパチクリさせて唖然としているライ




「ほら、おまえも頭を下げろ」



箒は隣に立つ一夏の頭を強引に下げさせる



「もとはと言えば一夏、おまえがくだらない挑発に乗るからだ。そのせいで、ライまでとばっちりをうけることになってしまって!」




「気にしなくていいよ。それに僕もあそこで啖呵を切ってしまったし、自分で撒いた種だから謝る必要なんかないよ」



ライの言葉に、すまないと一言って一夏を解放する箒



「それに、今考えるべきことは彼女との決闘のことだ」



ライが日替わり定食の載ったトレーを、空いていたテーブルに置き、席に座りながら言う



一夏と箒もライと同じテーブルに着く



「たしかにな。このままじゃ、何もできずにセシリアに負けそうだ」



どこか、うな垂れた様子の一夏



「決闘までの期限も一週間と限られている。それに、訓練用にISの貸し出しを申請したとしても、いつも借りられるとは限らない。しかも相手は代表候補だ。僕たちよりもISの訓練をはるかに積んでいるはず。たった一週間、訓練した程度の小手先の技術が通用する相手ではないだろうからね。となるとだ、やるべきことは自然と限られてくる」



冷静かつ、的確に自分と一夏の置かれた状況を分析し始めるライに驚きを隠せない箒と一夏



「ISは思考によって操作する特性上、装着者の身体能力が高ければ高いほど、操縦に活かされる。確か二人は剣道を・・・一夏は昔やってたし、篠ノ之さんは全国大会で優勝したって言ってたね」



先ほど一夏から、箒のことを紹介された時のことを思い出しながら話すライ



「なら、篠ノ之さんに一夏の剣道のコーチを頼みたい」



「わ、私がか!?」



「そう、少しでも剣道をしていた時の感覚を取り戻せるようにね。頼めるかい?」



顎に手を当て考え込む箒。その時



「ねぇ。君たちが噂の子でしょ?」



いきなり、見知らぬ女子生徒に話しかけられた



「代表候補生の子と勝負するって聞いたけど、ほんと?」



「ええ、そうですけど」



噂が広まるのが早いなと、苦笑しながら返事をするライ



「でも君たち、素人なんだよね?ISの稼働時間いくつくらい」



「いくつって・・・二十分くらいだと思いますけど」



「僕も彼とたいして変わらないくらいですよ」



「それじゃあ無理よ。ISって稼働時間がものをいうの。その対戦相手、代表候補生なんでしょ?だったら軽く300時間はやっているわよ」



突きつけられた現実にまたもうな垂れる一夏。一方のライは想定の範囲内だったために表情一つ変えない



「でさ、私が教えてあげよっか?ISについて」



言いながら身を寄せてくる女子生徒。一夏が返事をしようとしたその時



「結構です。私が教えることになっていますので」



さっきまで、黙って考えこんでいた箒が突然に言う



「あなたも一年でしょ?私の方がうまく教えられると思うなぁ」



赤いリボンを指さしながら言う女子生徒。この学園は学年ごとにリボンの色が違う。一年は青、二年は黄色、三年は赤といった具合に



赤いリボンをしているということは三年生。ISの知識や経験、知識は一年とは比べ物にならないだろう



「・・・私は、篠ノ之束の妹ですから」



「篠ノ之って――ええ!?」



驚く女子生徒。無理もない、篠ノ之束といえばISを作った張本人にして稀代の天才。その妹が目の前にいるのだから



「ですので結構です」



「そ、そう。それなら仕方ないわね・・・」



篠ノ之束の名前をだされては引き下がるしかない。女子生徒は軽く引いた感じで去って行った
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