novel
□太陽と宇宙
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掠れた、悲しそうな声が響く…
「待ってくれ…もう、一人にしないでくれ……嫌だ…いやだ…ぁっ」
何かを掴もうとした腕は空しく宙を掻き、目の前が真っ白になる。
ずっと一緒だったはずの仲間たちが消えていく…
ギンコ…
栄吉…
淳…
舞耶姉…
あれ…何でこんなときに、あの人の事を思い出すんだろう…
「にい…さ…」
最後の足掻きと思い、もう一度手を伸ばした。
それと同時に、聞きたくなかった声が頭に響く。
「ん…?なんだトラブルか?」
「?! ニャルラトホテプ…」
少し嘲るように言う混沌…
「周防達哉…まだお前の愛する者には会えそうにないみたいだ…舌を噛むなよ」
「は?え…なに…」
そして次の一言が終わる頃…
「飛ぶぞ」
「…はぃ?」
達哉の視界が暗転した。
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