Et Hymnis Pathetique:YoonTae<完>
□Aftermath
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中々、雨は激しくなる一方で
迂回の道路表示も段々増えている。
朝から、ミネラルウォーターしか飲んでなかったので
適当にカフェに入り、味がしないサンドイッチを食べた。
砂を食べてるみたいだった。
味が解らない。
外を眺めると、窓の向こうにまた白いワンピースをきた私が立っている。
ずぶ濡れで髪からは絶えず水滴が落ちる。
外の私を眺めていると肩を思い切り掴まれた。
見上げると髪の長い女性で、酷く取り乱しているようだった。
「ユナ?
大丈夫なの?携帯が水に沈めてあったって言うし、ダンス練習には来ないし、テヨンはこんな時に買い物だし、」
間をおかず話続ける彼女
写真のフォルダーで見た彼女だ。
メンバーの方のようだった。
「なぜ、テヨンのことだけ単独で教えてくれるの?」
素朴な疑問だった、今目の前のこの女性は私の『ユナ』と言う固有名詞以外は伏せていた。
『テヨン』以外は
「ユナ、テヨンのこと呼び捨てにしちゃだめじゃない?
びっくりするわ…貴女らしくもない」
「テヨンはテヨンでしょ?
あなたは呼び捨てにしても良いのに私はダメなの?
ねぇ、あなたはだあれ?」
真顔で聞きながら珈琲を飲んでいたら、左頬に激しい痛みを感じた。
どのタイミングで怒ったのか解らないから困惑する。
勢いよく立ち上がるとどこかへ言ってしまった。
私はそっと立ち上がり店を出て
車に乗った。
なんとなく
”lost in love”と言うフォルダーに入っていた彼女が『テヨン』なんだと思った。
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