Et Hymnis Pathetique:YoonTae<完>

□Aftermath
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その日は朝から雨が降っていた。

目覚まし時計のアラームが鳴るよりも先に雷鳴で目が覚めた。

アラーム機能をOFFにしてベットに腰かける。
テレビを付けると非常事態でも起こったかのような
女性アナウンサーの顔

背後には不釣り合いなくらい
マヌケな雲マークが半島に乗っている天気図。

どんな天気だろうが、大体仕事はある訳で、このいかにも不幸ですを顔に貼り付けて話しているアナウンサーとて仕事をしている。

自分の気分に諦めを付け、のそのそ立ち上がる。

リビングを抜けて、洗面台へ。

蛇口を必要以上に捻り、流れる勢いが凄まじい水を眺める。

顔を洗えば、予想通り
服の袖も、額に貼り付いた前髪も、床も水浸し。

顔を拭いてから、戸棚を開けて雑巾を出す。

実にふざけた臭いを放つ。
まったく、なんだってこんなに汚い雑巾が家にあるのか。

渋々、床を拭いて雑巾を洗う。
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