Asa Em Colapso:YooSic

□回廊の灯り
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世間とは実に親切で暴力的で理不尽で優しい。
素直に発表後の事を纏めるとこういう言葉になるだろう。
両サイドに平行棒の用に長いゴムの巻かれたバーを握りながら歩いている。
青い足元のマットには道路の中央線の様に黄色いラインが伸びている。
手を離し、歩くと足裏のマットの感触が脳に伝達される。
白い上下の服に身を包んだ男性が隣を歩きながら、踏み込み具合や歩幅を確かめている。
足には、歩行補助の軽いサポートをする器具がされこれがアクション映画の格好良い武器なら良いんだけどなと思った。

負荷を掛けるマシンに座り、軽い錘を載せた板を上げる。
背中側から、レールの上下する音が聞こえる。
やはり右足が左足より上げ難い。
負荷の数や、上げた数をバインダーに挟んだ紙に記入しながら男性は顔を上げて、いいですよまた3日後にねと言った。

診断から1ヶ月が経とうとしていた。
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