Et Hymnis Pathetique:YoonTae<完>

□Aftermath
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夕凪が吹く

白い息を出しながら歩く。
ティファニーには聞けなくて、スヨンに聞いた。

葉っぱがなくなった木々は寒そうで、色々な方向に伸びる枝が攻撃的に見える。

お祈りにはティファニーと行っているから、懺悔室へは行っていないだろう。

行くとしたら、この仕事と仕事の間の時間。
以前より、撮影で着用した服の買い取りが増えていた。

服や美容院に使っていた時間が何かに変えられている。
大学は行っている様だが、大学の時間は削ってない。

十字架が付いた建物が見える。
沈もうとしている太陽が乱反射している。

石畳を歩きながら、佇む彼女を見つけた。
消えてしまいそうな錯覚を覚える。

私は彼女に伝えるべき言葉は思い浮かばない。
ただ、気付くまで彼女を見つめることに集中した。

闇に代わり始めた世界が、2人の様でまた胸が締め付けられた。
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