Et Hymnis Pathetique:YoonTae<完>
□Aftermath
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「テヨン…」
ユナが私の手首を掴んで呼んだ。
2人の関係が始まってから私からタメ口と呼び捨てをお願いした。
ティファニーの代わりだから。
私はユナに布団を掛けて、自分もベットに入った。
「テヨン…明日も早いの?」
掠れた声で、生気のない瞳が私を捕らえる。
「黙って…」
ユナにキスをして、口内を犯した。
離すと、感情がなくなっている笑顔でユナは言った。
「テヨン…私を許して?
あなたを…道連れにした私を…」
儚い笑顔を見せるユナに
涙が止まらなかった…
ユナは私の髪を撫でて、抱きしめてきた。
目が覚めると、雨は上がりユナは居なかった。
ドレッサーの携帯をとろうと手を伸ばすと、メモが見えた。
”教会に行ってから、仕事に行きます。テヨン寝坊しないでね?
YA xoxo”
教会…彼女はカトリックだから
本来ならば、女性を好きになることもこんな関係もいけない事だと解っている。
携帯のメッセージ作成画面を開いて
”寝坊しなかったぞ :)”
とだけ送った。
着替える為に、宿舎に戻った。
ソニが地方ロケから帰ってきていた。
「テヨン、朝帰り?(笑)
やだーやらしー(笑)」
からかってくるソニにぎこちない笑顔を向けて、部屋に戻った。
部屋着に着替えて、ベットに座っているとソニが入ってきた。
「ねぇ、テヨン…
何かあった?最近、様子が変だよ?」
単独の仕事も増えて、疲れてるだけだから大丈夫だと説明して机を見たら箱があった。
「あたし、出かけてくるねー!」
と言うソニにうんと生返事をして箱を手に取った。
開けると小さい箱と封筒が入っていた。
封筒を開けると、写真。
海岸?どこだろう…
写真の裏を見ると字が書いてある
”あなたの気持ちが居なくなってもあなたを愛しています”
箱を開けてみた。
シンプルで品の良い時計が入っていた。
机の引き出しに時計と封筒を閉まった。
私の気持ちも引き出しの様にしまえれば楽なのに。
誰からだとか、書かれていた言葉とかどうでも良かった。
窓に手を伸ばして光に手をかざす。
こんなに汚れている私なのに、光に照らされて赤く浮かび上がる手は綺麗だった。
「ティファニー…愛してるよ」
次の日は全員でダンスレッスンだった。
久しぶりの曲もあり、中々揃わない。
「ソニ、ティファニーだから左足!ずれてんの!」
ヒョヨンから激が飛ぶ。
どうも、揃わないしだんだん体力もなくなってきたので休憩が入った。
ティファニーはスヨンにこーしたらいいよ?とかなだめられている。
ソニにはユリとソヒョン。
その横で、優雅に水を飲みながらジェシカが見ている。
ヒョヨンはダンスコーチに、フォーメーションを変えるべきか相談している。
水を取りに行って、ユナを探す。
スタジオには見当たらない。
トイレ?
自分も行っておこうとトイレに行くと入る直前に
中から苦しそうな咳こみが聞こえた。
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