長編置き場

□序章
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「…ありがとうござい
ましたー」

店内にそう響き渡らない
程度の声でレジで会計を
済ませたお客さんへ頭を
下げてマニュアル通りの
言葉を発する。

時間は既に22時少し前。

もうそろそろ上がる時間
だなぁと時計を確認して
そんなことを思う。

店内を見渡せばあんまり
お客さんは居らず大体が
雑誌を立ち読みしている
お客さんばかり。

「…はぁ」

早く帰りたい。

言葉にせずとも溜息に
混ぜてひとりぼけっと
レジに立つ。

夜遅くつまりは深夜帯に
女性がシフトに入るのは
あまり良くないとの事で
私は夕方から夜までこの
コンビニで働いている。

大学が無いときは少し
早めに出ていたりする
ときがあるけれど大体
わたしのシフトは夕方
から夜までの週3日と
決まっている。

それもこれも全ては親に
負担を掛けさせたくない
為になるべく自分の事は
自分でという事で大学生
やる傍ら働いていたりも
するのだけど何故だろう。

確かに私はこの日いつも
より暇だった仕事を終え
真っ直ぐ寄り道せず帰宅
してベッドに入って寝た
はずなのに目を覚ませば
全く知らない部屋にいて
現実に居もしないはずの
彼らに出会い飛び起きた
私はただただ目を丸くし
驚くしかなかった。

あははー
まさかのトリップなんて
誰か夢だと言って下さい。




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