長編置き場

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「あれれ〜?」

「どうしたのだよ紫原」

「あ、みどちん」

やっほ〜と言って俺の隣
に立つみどちんこと緑間
真太郎に挨拶をする俺、
紫原敦。名前だけ聞くと
何か人間っぽく思うかも
しんないけど俺達はこう
見えてもこの神山の森に
棲む山神でありこの地を
守っている神様だ。まぁ
山神といってもそれぞれ
持っている力は違うから
それは赤ちんに言われて
互いに補い合ったりとか
何かしたりしているから
うまい具合に結界とか力
とか保ち合っている。

ちなみにみどちんは風を
操る力が強い山神で俺は
地脈とかあらゆる生物の
感情を読み取る力が強い
所謂サトリみたいな力に
長けている山神だ地脈が
分かれば山火事とか諸々
避けられるしねー

俺やみどちん赤ちんの他
にも峰ちんとか黄瀬ちん
とか黒ちんとかもいたり
するけどそれぞれが一体
何の力に長けているのか
詳しく説明するのも正直
めんどいから簡単に説明
すると黄瀬ちんは雷の力
峰ちんは霧とあと水の力
黒ちんは癒しと再生の力
赤ちんは自然を司る森羅
万象の力。これを聞くと
赤ちん思いっきりチート
すぎるよね〜な感じかも
しれないけど赤ちんは赤
ちんだからねそれはそう
いうことでうん察してよ。

…とまぁ気付いたら説明
っぽくなっていたけどさ
俺は今日も高い木の上に
座って大好きなお菓子を
食べながら何か山に異変
ないかを観察していたら
ふと聞こえてきた誰かの
内に隠した心の声。

そういう心で思ったこと
俺的にはハッキリと口で
言ってくれたほうがあり
がたいんだけど俺にだけ
聞こえてきたこの心の声
だけはさすがに赤ちんに
言ったら黒ちんはきっと
しばらくは行動する範囲
が狭まれてしまうだろう。

…俺的には別にどうでも
いいし関係ない事だけど
でも黒ちんに怒られるの
だけは嫌だなぁ…ーー

「あーもうほんと、」

知りたくもないことを
一方的に知れてしまう
この力がめんどくさい

「いっそうのことこの力
捨てられたらいいのに」

なんてぼやいたら隣に
立っているみどちんが
珍しく驚いた顔をした
からなんて冗談だし〜
と言ったらそんな事を
言ったら赤司が黙って
いないのだよだなんて
言うからうん赤ちんの
前では言わねぇし〜と
適当に返して食べかけの
お菓子に再び手をつけた。



好きな人に触れたいとか
そういう気持ちいまいち
分からないけどでも俺は
幸せそうに微笑う二人が
好きだから俺も好きな人
ができたらいつか黒ちん
の気持ちが分かるように
なる日がくるのだろうか。

そんな長い長い先のこと
など考えても予想がつか
なくて俺はすぐに考える
のをやめた。




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