長編置き場

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自然豊かな緑が溢れ
神気な力に溢れてる
この神山の森という
場所が僕の家であり
僕の棲んでる場所。

特にすることがなくて
木の上に上がり夏空を
ぼんやりと眺めてれば
いつの間にやら眠気に
誘われて寝ていたのか
閉じていた目を開けば
ふわりと僕の頬を風が
撫でてその風が今年も
彼女が来てくれた事を
教えてくれる。

「そうですか今年も…」

彼女がこの町にこの山に
来てくれたんですね。

その報せを届けてくれた
夏報せの風にありがとう
ございますとお礼を述べ
僕は彼女に会いに行く為
ふわりと地に降りる。

「…テツヤ」

「赤司くん…」

「今年も会いに行くのか?」

「…はい」

「テツヤ分かってるのか?
人の子と触れるのは僕ら
神にとってはあまりよく
ないことだ。それにお前
にはもうそれほど力が…」

「分かってます分かって
ますよ赤司くん…けど
これは僕のわがままで
あり彼女との約束でも
ありますから」

だから行かせて下さい。

そう赤司くんに頼むと
赤司くんは小さく僕の
名前を呟きほんの一瞬
悲しそうな顔を見せた
けれど僕の願いを聞き
届けてくれたのか最後
には分かったよ。だが
くれぐれも無理なこと
無茶なことはするなよ
いいな?と言って行く
ことを許してくれた。

彼女の元へ向かう際に
力を使おうとしたとき
赤司くんの後ろにいた
黄色な彼や青色な彼、
緑色の彼や紫色の彼の
心配そうな顔が見えた
けれどそんなとっても
大事で大好きな仲間で
ある彼らに僕は大丈夫
ですだからどうか安心
して下さいという事を
伝えるように微笑んで
みれば黄色の彼の顔が
更に辛い色に滲んだ。


ごめんなさい赤司くん
黄瀬くん青峰くん緑間
くん紫原くん…だけど
それでも僕は生きてて
初めて恋をして好きに
なったあの人に彼女に
会いに行きたいんです。

だから
ねぇほら今年の夏も


「あなたに会えたという
嬉しさを感じるたびに
こんなにもあなたへの
気持ちが僕の心から溢れ
出しそうで仕方ないんです」


おかえりなさい愛しき君。



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