長編置き場

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わたしは小さい頃から
大好きな祖父が住む緑
溢れる町へと行くのが
大好きだった。これは
そんなひと夏のまるで
奇跡のようでだけれど
今でもわたしの記憶に
残るあたたかなお話…


それはあつい暑い夏の日。

気付けば夏の暑さも軽暑
から酷暑に変わり時間が
お昼の12時を回ったのか
夏の太陽が空の一番高い
位置にありおかげさまで
背中からじわり…と汗が
滲み出てきており背中に
ひっつく洋服の違和感と
気持ちの悪さといったら
半端ない。

早くおじいちゃんの家に
行って洋服を新しいのに
着替えたいなぁと小さく
溜息を零したらわたしの
前を母の荷物まで持って
元気に歩いている父から
じいちゃん家ついたぞー
という声が聞こえてきて
お父さんお母さんの荷物
まで担いでるのに元気ね
お願いだからその元気を
娘であるわたしに少しで
いいから分けて下さいと
そう思いながら玄関先に
荷物を下ろしていたら奥
から冷たいお茶を持って
出てきたおじいちゃんの
優しい笑顔と優しい声を
聞いたら今までの疲労は
吹き飛んでしまってああ
今年の夏休みもこの町に
来たんだなぁとちょっと
だけ笑みが零れた。


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