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□君と逃避行
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胸がざわめく…

今まで感じたことがない
ものが胸の奥にある。

「なんか変…」

「へっ?越前、風邪でも
引いたのかよ?」

「別に。そうじゃないけど」

「じゃあ何だよ?」

「さぁね」

変な越前、とか言ってる
堀尾を無視してこの胸の
ざわめきの原因を考える。

けどそんなの見つかる
わけもなく考えるのを
やめた。

「……あ、」

「どしたんだよ越前。
やっぱり風邪か?」

「俺、部活休むって
部長に言っといて」

「はぁ?
あっ、ちょっ、越前!!」

たまたま視界に入った
あいつが竜崎と話してる
姿を見つけて俺は二人の
間に入り竜崎と話してる
彼女の手を取って教室を
出た。


―君と逃避行―


「ちょ、
リョーマ、どうしたの?」

「別に。何でもないし」

竜崎と楽しそうに話して
微笑うあんたを見て嫉妬
した、なんて言えるわけ
ないじゃん。




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