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□天使/悪魔 first
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*成瀬
変な出会いをした、その次の日。
何故こんな事になったのか……
僕の目の前のソファには、彼ーー熊田さんがいる。
先程から、何も話しかける事なく、ちょっかいを出す訳でもなく、ただそこに座っている。
何も邪魔をしていないから良い……いや、厳密に言うのなら、邪魔はされている。
顔に刺さる目線……。
あまりの視線の強さに……頭が働かない。
「……何か、ついてますか?」
この状況を変えるべく、熊田さんに問いかける。
「いや?」
だが……返ってきたのは、意味深な笑みと短い言葉だけだった。
訳がわからない。
彼の謎の行動に、僕は更に混乱させられた。