短編

□幸せな時間
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カーテンの隙間から朝の日差しが漏れて来る
さっきまで暗闇に慣れていた目には少しきつかった

「…う、ん……」

ふと隣から小さな声が聞こえて来てそちらを見るとすやすやと気持ち良さそうに眠るセトがいた

幸せそうな寝顔を眺めているとセトは目が覚めたのかゆっくりと瞼が開いていった

「カ…ノ…?」
「うん、おはようセト」

そう言ってセトの頬に唇を落とす
それがくすぐったいのかセトはすこしだけ身動きをとった

「カノ…唇にも……して?」

セトがそう言うとカノは物凄く驚いた
何故なら、普段セトは照れておねだりなんてことをしてきた事がなかったからだ

「セト…!」

あまりにも唐突過ぎて体が固まってしまたカノにセトは痺れを切らしたのか
自分から唇を寄せ、キスを落とした

触れるだけの優しいキス
その時の時間がとても長く感じた

「…起きよう」
「えぇえ!ちょっ待ってよ!!あんな事しといて一気に空気を変えるの止めてくれない!!?」
「ほーんっと何であんな事したんだろうっスかねー…気の迷いかな?」
「ちょっwwひど!!」

一気に空気が変わってしまい、さっきまでの甘い空気が無くなってしまった
セトは恥ずかしいのかスタスタと部屋から出て行こうとする

「まあまあ、待ってよセト!まだ起きるのには早い時間だよ!」
「…だから?」
「一緒に二度寝しよ!!」

セトはぽかんと口を開ける
カノはその隙を逃さない
すかさずセトの手を取ってベットにほうり投げる

ぼすんっと音を立ててセトがベットに沈む

「ちょっ…なにすんっすか!!」

セトに続きカノのベットに潜る

「おやすみー」
「え…カノ…」

なんど彼の名前を呼んでも寝息しか聞こえてこない

「……しかたないっスね…」

まだ少し眠気が残る体に身を委ね
セトは静かに瞼を下ろす

まだ、彼らの幸せな時間は始まったばかりだ



END

おまけ
キ「……ったく、この馬鹿共は…」
マ「幸せそうだからいいんじゃない?」
カ&セ「スースー」

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