短編
□大好きな君へ
1ページ/1ページ
セトがかぜをひいた…
普段は丈夫な分なのか、ひいたらかなり熱が高い
「セトー、生きてるー?」
「物騒なこと言わないでほしいっす」
ごめんごめん、そう返事をしながら彼の寝ているベットへ近づく
「…かぜ、うつるっスよ」
「大丈夫だよ、それにセトに移されるなら本望だよ」
「…はは、もう手遅れっすか」
「それはどーゆう意味??」
ベットの端に座りセトの顔をまじまじと見つめる
口では元気そうに聞こえる
しかし、顔は熱で真っ赤に染まり目は涙で濡れていた
…がんばれ、僕の理性!!
セトの事を見ていると夜の事を思い出す
でも今手を出したら明らかにキドに殺される…!!
気を紛らわすために話題を振ってみた
「さっき、マリーがセトが風邪ひいたって慌ててたよ」
そう、先ほどセトが風邪をひいたと知ったマリーは今にも泣きだしそうな顔で「セト、死なないよね!!?」と聞いてきた
いくら慰めても泣きやまないマリーに嫌気がさし丁度キサラギが居たから彼女にマリーの事を任せる事にした
そして今にいたる
「あー、マリーには心配かけたっすかねー?」
「そーだねー」
あーあ、せっかくセトが家に居るのになー
こんなにも近くに居るのに残念
そんな事をふと思い、ため息がでた
「ねえカノ、オレね今すっごく嬉しい…」
「え?」
セトの方を向き直るとセトの顔はさっきよりも真っ赤に染っていた
おそらくそれは熱のせいではないだろう
「カノが…そばに居てくれるから……」
そう言い切るとセトは布団で自分の顔を隠すように潜り込んでしまった
なんて素敵なラブコール
おそらく自分は今気持ち悪いほどにやけているだろう
それほど嬉しいのだ
「セト、今日は僕が命一杯看病してあげる」
だから、今日はずっと一緒だよ
おまけ
「あっ汗大丈夫?僕が拭いてあげ…」
「結構っす」