進撃の巨人 短編

□素直になれない人たちの不思議な出来事〜後編〜
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ーーーーガチャ



「ジャン!!それに名無しさん!!」


「よかった!二人とも大丈夫ですか?」


扉を開けると皆が居た

皆俺たちのところへ駆け寄り心配してくれた。そして無事だと分かると安堵の表情を浮かべた






「ああ...こんなに濡れちゃって...」

クリスタがタオルを持ってきた。俺はそれを受け取り髪を拭いていた

一方名無しさんはユミルなどの女子に拭いてもらっていた




「お風呂に入ったほうがいいんじゃないの?」


マルコが俺を見て言った

確かに服とか濡れてるし、風呂入った方がいいか....


「ああ、そうだな」





「じゃあついでに名無しさんを入れてくださいよ」



「はぁ!?///」



サシャがいきなりそんな事を言ったので俺は思わず顔を赤くした

な、な、なんで一緒に....!?


「さっきの雷で、女子風呂が壊れた」


俺の心を察したのか、ミカサが訳を説明する


「それに名無しさんも一緒に入りたがってますし」


クリスタが名無しさんの頭を拭きながら言う、その彼女は.....



「おふろ♪おふろ♪ジャンとおふろ〜♪」


............とても楽しそうだ



「仕方ねぇな.......」




「ジャン...........ロリに目覚めるなよ」


「当たり前だろ!!!!?」



...もし元に戻ったとき殴られるだろうな



**************************


「はぁ....」


脱衣所で濡れたワイシャツのボタンをはずしながら、俺はため息をつく

.....どうしてこんな事に


いくら小さくなったとはいえ、つい昨日まで同じ屋根の下で暮らしている年頃の好きな女だぞ!?

マズくないのか!?



仮に風呂で元の姿に戻ったら......




「.....//////」



.....ッ!?
 
な、何を考えているんだ俺は!?//



「ジャンぬいだー!!」


「ブフォ!?///」


すっぽんぽんのミニ名無しさんが笑顔を向けてくる


....正直(小さいけど)女の体を見るのは初めてだ....

いや、あったらおかしいけどな!?



「お、おう...ちょっと待ってろ....」


俺は少し恥ずかしいが残りの服を全部脱ぎ、腰にタオルを巻く


「んじゃ行くぞ」


「うん!!」








ガラッと風呂場のドアを開ける

すると名無しさんは「ひろいー!」と言いながらお風呂場を駆ける



「おい、危ねぇぞー」




「えへへ、はーい♪」


俺が注意すると名無しさんは舌を出して笑い、俺の所へ来た

....ったく可愛いなチクショウ....//




「シャワーぐらい自分で浴びれるだろ」


「えー...」


俺がそう言うと、名無しさんはほっぺをプクッと膨らました

......本当に可愛いなチクショウ....//



「はぁ...仕方ねぇな...、ほら、座れ。背中流してやるからさ」


「わーい!!ジャンだいすきー!!」


また抱きついてくる.....って今お互い裸なんだから!?//


「おい名無しさん.....あまり軽々しく好きって言っちゃだめだぞ...」


俺はため息をつきながらそう言う


今は小さいから好きって思っているだけで、本当の名無しさんは俺のことは好きではないのだから

昨日は酷いことを言って終わってしまった...


俺は早く名無しさんに謝りたい...


すぐ目の前にいるのに、言えないなんて....



「その好きは本当に好きな人に言うんだ、わかったか?」




「...........すきだもん」



目の前の名無しさんは俯いてそう呟く

だからその言葉は...



「わたしがちーさいから......やなの?」

「べ、別にお前の事が嫌いってわけじゃなくて...」


名無しさんはパッと顔をあげる


「あのね、むねのおくでね、ジャンのことをおもうとキューってなるの」


ズキンっと心が痛む


.........その言葉が元の名無しさんに言われたらどんなに嬉しいことか...



「だからね、わたし、ジャンのことすき!わたしはジャンのことがほんとーにすきだもん!」

名無しさんが再び笑顔になる、俺はその笑顔にフッと笑い


「ありがとな」


...そう言った

もしも元の姿に戻ったらちゃんと素直になろう

ちゃんと気持ちを伝えよう








「ほら、風邪引くぞ座れ」



「えへへ、うん!!」



名無しさんは風呂用の椅子に座る。「いすつめたいー」とちょっと文句を言った。ちなみに俺は後ろで膝をついている


俺は目の前の鏡の隣にかかっているシャワーホースを持ち、最初は自分の手に出して温度を確認した




うん、これぐらいだな

そう思い、俺は名無しさんの背中にかけようとした



「じゃあかけるぞー」


「はーい♪」



その時、






ーーーーーーーボンッ







「......!?」





突然、名無しさんが爆発した


というか煙に包まれた




「な、なんだ!?」



俺は慌てて立ち上がる、名無しさんは一体!?


ふと、嫌な予感がよぎった


そう、風呂に入る前に少しだけ考えていたことだ。いや、まさか......






「ちょっ......なんなの...ケホッ、ケホッ....」




煙の中から声が聞こえる。名無しさんの声だ
だが、先ほどの子供っぽい口調から一転、いつもの感じだ


煙がだんだん薄れていく、なんだかヘンな汗をかいてきた


まさか....まさか.....









「わたし、今まで何を.........................................って...」








...............煙が、晴れた





いつもの名無しさんが、目を見開いて鏡ごしにこっち見ている

そしてタオルも何も身につけていないその体と俺を交互に見る



「////」



俺はその体に見惚れるしか無かった




「「.............」」


お互い無言のままだ


こんな状況どう説明する?いや、説明する前に殴られるよな

ちょっと待て、殴るだけで済むと思ってるのか俺。殺されるだろ



「あ、えっと....名無しさん....」




俺はとりあえず何かを言わないとと思い口を開く


すると、名無しさんは






「ジャァァァァァァァン!!!!!///」




「うぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!」




叫びながら俺を蹴り飛ばした



ドゴッっと近くの壁に俺の体は叩きつけられる

遠のく意識の中、俺は思った








『良い子の皆。誰かが小さくなったらお湯をかけるんだ。そしたら元に戻るぞ』





そして俺は意識を手放した





**************************



〜その夜〜




「ふふ、成功だ」




食堂で謎の水が入ったビンを持って一人笑うやつが居た




「これでジャンも素直になれたかなぁ...」



ふふっと鼻で笑う




「僕も名無しさんが好きだけど、名無しさんはジャンが好きなんだから仕方ないよねー」




そう言った男は、やけに背が高かった
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