レオクラ♂

□大好きな君と
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12月31日、深夜――











空港のロビーを歩きながら、クラピカは首元にぐるぐる巻きにしていたマフラーの隙間に、鼻先を埋めた。


(随分と冷え込むな…)


そんな事を思いながら、ふとあたりを見回すと…


「クラピカ、こっちだ!」


早速元気な声が耳に入ってきた。

反射的にそちらに視線をやると、そこにはこちらに向かって手を振る男の姿があった。


「レオリオ…」


何だか、ホッとする。

レオリオは何がそんなに嬉しいのやら、満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってきた。

彼にもしも尻尾が付いていたとしたら、今きっと振り切れんばかりに振っているはずだ。


「よう、クラピカ!ほんとに来てくれたんだなっ!」


その声は弾んでいる。

今夜のレオリオは、お馴染みのスーツ姿ではなく、黒のダウンジャケットにジーンズというラフな格好だった。

シンプルではあるが、長身の彼にはとても良く似合っている。


「…ほんとにも何も、君がどうしても来いと言うから来てやったのだろう?」


「へへっ」


子供のように無邪気な笑顔を見せながらも、レオリオがさりげなくクラピカの肩にかかっていた荷物を手にとってくれた。


慌てて彼の顔を見上げて言う。


「それくらい自分で持てる…」


「いーからいーから。わざわざ遠いところから来てくれたんだ、これくらいサービスさせろよな?」


「……」


何となく気恥ずかしくなって、クラピカはますますマフラーに顔を埋めてしまった。


レオリオと会うのは、実に3ヶ月ぶりだ。


前回会ったのは確か、秋の終わりごろだったように思う。


「……」


クラピカは無言のまま、隣を歩くレオリオの横顔をじいっと見上げてみた。


「……ん?」


それに気づいたレオリオが、さりげなく促してくれる。


「……少し痩せたか?」


何だか以前会った時よりも頬が引き締まったような気がして、クラピカはそんな事を尋ねた。


「あ、やっぱ分かる?…実は最近、大学の方が忙しくてよー。マトモに飯食う時間も取れなかったりしたんだよなぁ」


レオリオはバツが悪そうに笑いながらもそう答えた。


「…忙しくてもキチンと3食取った方が身の為だぞ?」


「ん、そーだよな」


「いくら勉強をしっかりしていても、倒れてしまっては元も子もないだろう?」


「んん、今後気をつけます。…つぅか」


と、そこでにゅっと腕が伸びて来て、大きな手に頭をくしゃくしゃと撫で回された。


「…久しぶりに会ったってのに、相変わらず説教くせぇなぁ、おめーはよー」


呆れたようにそう呟きながらも、レオリオの目は優しげに細められている。

何だか急に恥ずかしくなって、クラピカは慌てて目をそらしてしまう。


「わ、私は別に…っ。…というか、説教をされるような要因を持つ君が悪いのだろう…っ?」


「ははっ。まぁ、そりゃそうなんだけどよ」


くしゃくしゃとクラピカの髪の毛をかき回していたレオリオの手は、やがて優しく頬を撫でるように下がって行く。

クラピカはどうしたらいいのか分からずに、その長い睫毛を伏せ気味にした。


顔中に彼の視線を感じて、自然と頬が火照る。


レオリオの顔がぐらりと近づいて来たかと思うと…。


「…また会えて嬉しいぜ、クラピカ」


低い声で囁かれた。
その吐息が、耳元にかかる。


「今日は来てくれてありがとな」


かぁぁぁ…っ…

優しさをたっぷり含んだ声で、そんな風に囁かれては…。


「……っ…」


クラピカはキュッと唇を噛みながらも、ますます俯いてしまった。

だが、すぐに伸びて来た両手に頬を包み込まれて、半強制的に顔をあげさせられてしまう。

レオリオの熱を帯びた視線に真っ直ぐに貫かれて、息をする事すら忘れてしまいそうになる。


「なぁ、お前は?お前も俺に会いたかった?」


「……っ、…そ、そんなもの……」


「ん?」


「…………そんなもの…、…わざわざ聞かなくともわかるだろう……っっ…?」


咎めるような口調でそう返してしまうと、レオリオは楽しそうに笑って見せた。

それと同時に、張り詰めていた空気が一気に緩んだような気がして、クラピカは内心ホッとしてしまう。


「相変わらず順調に捻くれてんなー、おめーは」


「…っう、うるさいのだ!」


と、その時レオリオの視線が、チラリと腕の時計に向かったのがわかった。

すぐに顔をあげると、目を合わせて囁きかけてくる。


「あけましておめでとう、クラピカ」


「あ…」


クラピカも慌てて、腕時計の表示を確かめた。



1月1日、00時00分。


新しい年の幕開けだ。



レオリオの方に視線を戻す。


「あけましておめでとう、レオリオ…」


何だかちょっとだけ、気恥ずかしい。

でも、彼と共に新年を迎えられた事が嬉しかった。


レオリオも同じ気持ちだったのか、幸せそうに微笑みながら、手を伸ばして来た。

大きくて暖かい手のひらに、すっぽりと手を包み込まれてしまう。


「よーし。ほんじゃーまぁとりあえず、俺んち行くか」


「そうだな…」


と、その時。

レオリオがキョロキョロとあたりを見回している事にクラピカは気がついた。


「…?」


それを不思議に思っていると、不意にロビーの隅っこの方に引っ張って行かれて…




ぎゅ、っと。

抱き締められた。




「…っ!レ、レオリオ…っ?何を…っ…」


「…ん。ワリィ。もー我慢限界」


慌てて彼の胸を押してみたが、びくともしない。
こう言う時ばかりは、体格の差を恨めしく思えてしまう。


「クラピカ…」


「ぁ…」


ぐらりと顔が近づいて来たかとおもうと、避ける間もなく、唇が重なった。

少し乾燥してかさついた、レオリオの暖かい唇の感触…。

随分と久しぶりだ。


「……」


クラピカは白い目元をほんのりと桜色に染めながらも、そぉっとその瞳を閉じた。


どうしてこんなにも安心するのだろう。


彼に触れていると…、暖かくて。



つい十数時間前までは、冷たい大都会の中に、一人っきりでいたというのに。

それが嘘みたいに思えてくるほどに、彼の腕の中は居心地が良かった。


「……」


唇が離れて行く。



ゆっくりと目を開けると、至近距離で目があった。

深い夜闇の色をした、切れ長の瞳に真っ直ぐに見つめられて、また頬が火照るのを感じてしまう。

と、その時、レオリオが驚いたように目を見開いたのがわかった。


「…あれ?怒んねぇの?クラピカ」


「…何の話だ?」


へへ、と悪戯っ子みたいな表情で彼が笑う。


「だってよ、いつもだったらぷんぷんに怒んだろ?時と場所を考えろ馬鹿者ー!とか何とか言ってよ」


「……」


そうだった。

忘れかけていたが、ここは空港のロビーなのだ。


(怒る、か…)


――いや。

何故だか今日ばかりは、そんな気にはなれない。

クラピカは小さく息を吐くと、改めてレオリオの目を見つめ返した。


「ん?」


不思議そうに首を傾げた彼の仕草を、視線の端にに捉えながら…


「……今日は特別に許してやる」


そう囁きかけると、今度は自ら彼の首元に腕を伸ばして。




その唇に、軽い口付けを落とすのだった。







ハッピーニューイヤー。


新しい年の始まりは、大好きな君と一緒に――











end.
















……って、空港から一歩も出てねぇyo!

警備員のおじさん、リア充はこちらです!
とっ捕まえてくださいwww

ほんとはレオリオさんのアパートでゴンキルと合流して、ぇろもがっつり書くつもりだったけどやっぱ時間が足りなかったw
なので強引に終わる!あとは妄想で補ってプリーズ!(もしかしたら続き書くかもしらんけど)

それにしてもレオクラちゃん可愛すぎる。
ナイスカポーすぎてお似合いすぎて俺もうあかんわ。泣いてまうわ。涙がちょちょぎれるわ。鼻水の大洪水やで!



キーワードはリアじゅうばくはつ!

ということで2014年も仲良くいちゃつくといいと思うよ!リアルでも連載再開あるといいね!レオクラ再会レオクラ再会っヾ(*´∀`*)ノ






2014/1/1 えム

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