黒と緋の鏡

□第六夜
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「あ、白い物の怪もおかえり!」

物の怪をみても怯えずにこにこ笑いかける。ばしばしと頭を容赦なく叩くところはご愛嬌というやつだ。


「おう」


おかえりといわれた事に少し照れているのか尻尾が左右に大きく揺れる。
昌浩の手を握ると紡はそういえば、と上を見上げた。


「じい様がよんでたよ!帰ったら顔だしてって」


「うん、わかった」


二人仲良く手を繋ぎ、簀子を歩く。昌浩はぱぱっと烏帽子を脱ぎ、髪を解く。いつもの夜警用になる。

「じい様、昌浩です」


すっと一人でに開く戸。
昌浩はびくっとしたが紡は開けた神将へと飛びついた。


「すざく!!」


神将に飛びつく紡をみて、昌浩は正面にいる晴明に向き合い、部屋にはいる。
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