I
□第4章 LOST MEMORY
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甲板にはエースとマルコ、二人だけとなる。
マ「どうしたんだよい?難しい顔をして…」
レイファが見えなくなってからマルコが尋ねる。
エ「べ、べつになんでもねえよ(¬_¬;)」
マ「顔に書いてんだよい。お前ほんとにうそが下手だよい」
少し呆れながら慌てて眼をそらすエースにマルコは言った。
マ「レイファが島に行くこと、気が進まないのかよい」
察していたのかそう尋ねる。
エ「そういうわけじゃねえよ、ただ…」
マ「ただ、なんだよい?」
エ「昨夜イゾウから言われたことでちょっとな…」
マ「イゾウに?」
エ「ああ…」
――――――――――――昨夜(会話文のみ)
エ「“夜叉族?”」
イ「ああ。前々からは気になっていたんだが、あの“黄色い左目”それからあの“言語”。
夜叉族がもつ特有の特徴だ」
エ「でもなんでそんなことわかるんだよ?」
イ「以前、夜叉族と深い関わりのもつ知り合いから聞いたことがあったんでな」
エ「夜叉族って一体何なんだ?」
イ「太古昔から存在している“もののけ”の血を引いた部族だ。奴らは感覚機能、身体能力、自己治癒力が人より数倍優れている。そのため、人からはかなり恐れられていたそうだ」
エ「それがレイファだっていうのか?でも、そんなふうには見えねえけどな。俺たちとなんも変わらねえし…」
イ「しかし身体能力や自己治癒力は俺たちよりは遥かに上だった。
前に全治一週間の怪我を負ったにも関わらずあいつは一晩で治ってしまった」
エ「まあ、確かにガキの頃も平気で高い木の上に飛び上がったり、怪我しても次の日はきれいに治ってたりしてたからちょっと普通じゃないことはわかってたけどよ…」
イ「…そこで一つ提案がある」
エ「提案?」