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□第5章 EPISODE ZERO (前編)
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それから三日後、あともう数時間で島へ着くということでレイファたちは甲板で暇をもて余していた。
『あーあ、早く着かないかな〜』
エ「あと少しで着くって言ってたろ?もうすぐ着くさ」
『もうすぐってどれくらい?』
エ「もうすぐはもうすぐだ。黙って待ってろ」
『はーい』
そう返事をしながらあくびをして寝そべった。すると鼻の上になにか冷たいものが落ちてくるのに気づいた。
『冷たっ!!』
エ「!雪?」
空を見上げるといつの間にかできた厚い雪雲から粉雪が降り始めた。
『あ、ほんとだ!どうりで少し寒いなと思ったよ』
エ「グランドラインは異常気象で時々天候が変わることがあるからな」
エースは空を見上げながら言った。
『へぇ〜、綺麗…。ねえ、この雪見てると初めて会った時のことを思い出すね』
エ「そういや初めて会ったときも、こんなふうに雪が降ってたな」
二人は降り続ける雪を見ながら、10年前の思い出を振りかえった。