【駄文書庫】

□(風斗)『覚えといて、アンタは全て俺のモノ』
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「ねぇ、姉さん。デートしようよ」
「え?!」
急に風斗くんが、私に声をかけた。
兄弟の皆さんと夕ご飯を食べた後。
今日は珍しいことにほぼ全員がそろい、ご飯を食べた。
後片付けをしている時、不意に後ろから声がしたのだ。
「デ、デート?!」
「そ。………ね、良いでしょ姉さん」
「きゅ、きゅ、急にどうしたの!?」
後ろを振り向くと風斗くんが微笑んでいた。
あ、流石アイドル…。
少し、見とれてしまった自分が恥ずかしくなった。
「…風斗何でも良いですが、こんな大勢の中で言うことではないと思いますよ」
食器洗いをしていた右京さんが、見かねて声をかけてくれたんだ。
「何?京兄……嫉妬?」
「…………違いますよ………」
「?」
さっきまでの右京さんじゃないみたいで、内心びっくりする私。
「……へぇ?まぁ、別に良いけどねー。…で姉さん、行こうよ」
「えッ…えっと…」
どうしたら良いんだろう?
「風斗なんかより、俺とデートしようよー!!!」
「!?つ、椿さん!?」
風斗くんの斜め前位に腰掛けている椿さんは、満面の笑みで私の方を見る。
「良いでしょ?」
「えッ「良いわけ無いでしょ、つば兄」
私の言葉を遮るようにして、風斗くんがそう言った。
「なんで風斗が答えるの?」
「なんでって…決まってるじゃない。姉さんは僕のモノだからだよ」
ガタッと音がしたかと思うと、風斗くんは椅子から立ち上がり私の目の前まで来ていた。
「風斗くん…?」
さっきのアイドルの笑みはどこへいったのか、真面目な風斗くんがそこにはいた。
「ん!?」
視界いっぱいに風斗くんの顔で埋まる。
唇に温もりを感じ、自分が今風斗くんに何をされているのか分かった。
唇と唇とが離れてはまた近づく…。
「んッ…ふッ……」
甘い、熱いキスだった。
でも甘すぎて、熱すぎて私には拒む事も出来なかった。
「可愛いよ姉さん」
「!!!」
不意に唇が離れ、風斗くんがそう言った。
照れすぎて、爆発してしまいそう…溶けてしまいそうだった。
「分かった?姉さんと僕はこーゆー関係だから、誰も邪魔しなでね」
「風斗くん!?何言って「何だそりゃあああああああああああああああああ!!!!!」
私が言おうとする前に、侑介くんの声がマンションを木霊した。

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