FAIRY TAIL

□はなび
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*ナツグレ



星の輝く真っ暗な空、オレンジ色に柔らかく光るちょうちん、美味しそうなにおいのする屋台に、楽しそうな子供たちの笑い声。

FT最強チームの4人と1匹は、とある国の"お祭り"に参加していた。

マグノリアから少し離れたこの場所で、クエストを終わらせた後、依頼主に「この近くで祭りをやっている。花火大会もあるから行ってみたらどうだ?」と誘われたからである。

最強チームの4人と1匹が、お祭りに、花火と聞いて乗り気じゃないわけがなかった。




ナツとグレイは人混みの中をきょろきょろと見渡しながら歩いていた。
他のメンバー達と、はぐれてしまってたからだ。

「あと10分で花火始まっちまうぞ」

グレイが汗を拭いながら言う。

見つからないもどかしさと、暑さと、人混みのせいでグレイはヘトヘトだった。


ナツはそれに気づくと、急に進行方向を変え、人気のないところまでグレイの手を引っ張った。

虫の鳴く声が聞こえる。

「いいじゃねーか!」

ナツはグレイにニッコリと笑いかける。


「はぁ?」

いきなりそう言われたグレイは訳が分からず、顔をしかめる。

「見つからなくても!!

せっかく2人っきりになれたんだし、2人で見ようぜ!」

いやいや、メンバーは探さないと駄目だろ!と呆れたグレイだったが、

悩みに悩んだ末、花火が終わってからでいいか...
という考えにたどり着く。自分はこの桜頭の男の笑顔には、相変わらず弱い。

グレイはふっとそんな自分を鼻で笑う。

「たまには、いいかもな」

グレイの言葉をきいた瞬間、ナツの表情がぱぁぁっと明るくなる。

ナツはグレイの手を両手でとり、優しく微笑んだ。




夜空に大きな花が咲く。

二人に
「ああっ!こんな所にいた!
探したんだからね」
と、声がかかるまであと2分。



-end-

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