story

□30m
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今日はなぜか名前は遙の家に真琴達といた。




ゆっくりとした時間が流れている中で、遙の大きなくしゃみが響く。





「・・・はぁ、くっしっ!!」



「盛大だね〜」



「ハル大丈夫?」



遙はいきなり言い出した。




「死んだばあちゃんが言ってた。

くしゃみするのは誰かが噂してる時だって。」




真琴が遙がしゃべっている途中でポケットティッシュを差し出す。



そして遙は無言でとる。



「それって、きっと凛ちゃんだよ!」




と、目を輝かせながら渚がいう。



それを聞いた遙がはっとしたように見る。





名前はそれを聞きながらもの珍しそうにきょろきょろと見渡していた。



真琴が冷静に突っ込む。



「いや、普通に風邪だよね。

4月なのにプールで泳いだりしたから。」




それは心外だ、とばかりに遙が言い返す。




「プールで風邪ひくほど柔じゃ、っくし」




くしゃみの衝撃で机が揺れる。






「屋外プールで泳ぐのはまだ早いよ。

それまでは体力づくりだね。」





それを聞いた名前は唸ってだらーんとなる。



その様子を見た真琴は尋ねる。





「名前ちゃん、体力づくり嫌い?」




名前は心底嫌そうな顔をして答えた。





「嫌い。ほんと。

体力づくりするぐらいなら、プールで泳いでキツイ練習する方がまし。」



渚が不思議そうに訊く。




「それなのに、名前ちゃんって長距離型だよね。」




「陸上と水中は全然違うのー。

体力は泳いでいればつくの。

一緒にしないでー。」







名前の脇で、同感とばかりに遙が首を縦に振る。






口を尖らせた名前を見た渚はいつもの調子で、ごめーんと謝った。
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