運命に抗う物語

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先程音がした方へと進んでいた彼は
やっとその場所へとたどり着いていた

「これは.....」

目にしたのは
大木に衝突したであろうウルフの死骸に
ウルフと退治したであろう者が使用した木の棒

木の棒でウルフを倒せるはずがないと
考えたが、大木にある傷からして
何らかの技を使用したに違いないと結論付けた。

青年は辺りを見渡して
人が隠れれる場所へと移動し見ててみたが
そこには誰もいなかった

少し肩を落として
足元を見ると真新しい靴跡が続いていた

「出口を探しているのか?」

もしかしたら
これを辿れば見つけられるかもしれない
そう思い、足跡を辿ることにした。

しかし、足跡は出口とは
全く逆の方向に進んでおり
森の奥に奥に進んでいた

この辺りはモンスターが
強いため冒険者でも近付かないほどだった
そんな場所に一般人がいて
しかも迷っているとなると
危険以外の何物でもない。

青々としていた空も
夕日に変わっているた
本当に急がなくてはと
彼が気を引き締めたとき
1つの切り株に何かが見えた

一瞬見間違いだと思い
通りすぎてしまったがゆっくりと戻り
それを確認した。

切り株に見慣れない服装の少女が座っていた
否、寝ていた。
少女は、膝などから血を流していて
地面に座り込んだりもしているようで
血に土が混ざり混んで痛々しくなっていた。

こんなところで少女を
置いていくわけにも行かず
彼は少女をそっと抱き抱えた

「少しだけ、我慢してくれるかい?」

そう言うと
少女が返事をするように
寝惚けて頷いたので
少しだけ笑ってしまった。






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