コチョウランの花に願いを

□私と芋虫
1ページ/1ページ

疲れた
ただただ疲れた。
何が理由かと聞かれれば
その答えは"3月ウサギ"である

いつも間違えるが
今回は特に酷かった

遊園地で会うたびに間違えられて
帽子屋領で会い間違えられ.....
出会う度に抱き付かれる身にも
なって欲しい

ボスが居たため
助けを求めるも軽く無視され
ディーとダムには
「バカウサギばかりずるい」と
的を外しまくっている回答を言われ

とにかく
今日は疲れた。
そう疲れたんだ。
だから、夢なんて見ている暇なんてない
夢を見るということは
眠りが浅いということ
だから私は
夢など見ずにぐっすりと眠りたい


『だから直ちにご退場ください』

「ちょっと待て!!」

『まだ何かあるの?』

私の貴重な睡眠時間を割いて
夢の中でまで何かをさせようとしているのは
吐血常習犯の芋虫。
ナイトメア・ゴットシャルク

「芋虫ではない!!夢魔だ!!ゴフッ!?ゲホッゴホッ」

『夢で吐血はご遠慮願えますか?』

「この状況を見て、君は心配しないのか!?」

『大丈夫、大丈夫。どんなに吐血しても君なら大丈夫。というわけで、お帰りください。』


「君は........私にだけ厳しくないか?」

帰れと連呼されたのが堪えたのか
夢魔はショボくれて
フワフワ浮くのを止めて
私が今いる不思議な空間に
三角座りでのの字を書き始めた


『ねぇ、ナイトメア......貴方大人でしょ?恥ずかしくないの?』

「っ!?」

私が弄くれている
ナイトメアに放った言葉は
心に突き刺さったようで
彼は更に弄くれてしまった

本当に面倒な夢魔だ
わざわざ私の所になんて来なくていいのに
ナイトメアもナイトメアで
ベットで休めば良いのに。
そういえば、夢魔って
考えが読めるんじゃ......

「君の考えは確かに全て聴こえているよ。でも、少しくらい私の気持ちも汲んではくれないか?」

聞こえてきた言葉にハッとして
彼の方に目を向けると
先程まで弄くれていた
ナイトメアはそこにはおらず
夢魔としてのナイトメアがそこにはいた

「君は本当に優しい。だから、調子が悪い私を帰らせようとしたんだろう?でも、私はこの国の住人ではないから君に会えない。君に会うためなら私は少しの無理くらいはやってみせるよ」

『っ!?』

そう言って笑ったナイトメアに
不覚にもときめいてしまった私は
咄嗟に顔を隠した

しかし、夢魔というのは
考えが読めてしまう......

「.....少しは期待しても良いということなのかな」

『?』

「何でもないさ」

何かを呟いたナイトメアの言葉は
私には届かなかった

頭にハテナを浮かべていると
視界が白に照らされた
夢が覚めるのだ

「今度会うときは...........で会おう。その時は私の........で.......くれることを......っているよ」

『?今なんて言ったn』

言葉を言い終わる前に目が覚めてしまい
視界にカラフルな天井が映った
キョロキョロと辺りを見渡す
うん。私が借りている部屋だ。

『ハァ』

溜め息を吐き
ベットに体を沈めた





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ