コチョウランの花に願いを

□私と猫
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『嘘だろうぅ!!!!!!!』

周りを見渡してみても
木・木・木!!!!
すなわち私は森に居た

『えっ?嘘だよね?アリス?アリスぅ!!!』
周りを何れだけ見渡してみても
探し人の存在は見受けられない

『いやいや・・・・思い出せ!!何故にこうなった経緯を!!!』





今から丁度二時間帯前
アリスが帽子屋領に行く言うので
(半ば強制的)着いていくことにした

「また来るわねユリウス」

そう言って部屋を出ていった
アリスに続こうとしたが
何故か視線を感じた
この部屋で私に
視線を向けることが
出来るのは一人しかいない
何故ならこの部屋には
私と"彼"しか居ないからだ

『ユリウス・・・何?』

振り向きながら
そう訪ねると彼は一瞬目を見張り
その後少し目を泳がせた

『?』

彼の行動が全くもって
理解出来ない私は
彼が言葉を見つけるのを
少し待った

「お前も来るのか?」

『えっ?』(何処に?)

思わず聞き返したが
考えてみると自ずと答えは出た

『アリスと一緒に此処に・・ってこと?』

「そうだ」

私が先程導いた答えを
口にすると即答で返事が来た

(ユリウス・・・・・君は人嫌いじゃなかったかい?私に来てほしいとか・・・大丈夫なのか?色々な意味で・・・)

余りにも私が"知っている"
ゲーム内でのユリウスと
大いに違っている事に驚きつつも

何故かユリウスの物言いが
可愛く感じられた
あえて言い換えれば
"本当は来てほしいけど
別に来たくないのなら
来なくてもいいけど"
という感じだろう

クスッ

思わず手を口に当てて
笑ってしまった

「っ!!お前は何を笑っt」

笑いに気付いたユリウスが
少し頬を染めて反論しようと
したのを私が遮った

『ユリウスが・・・ユリウスがどうしてもって言うなら来てあげないこともないかな?』

クスクス笑いながら
素直でない言葉を飛ばした
思えばこの言葉が
一番自分らしい言葉だった

「・・・・・・・」

私の言葉を受け
少し面食らった表情をした
ユリウスを放って置いて
部屋を出た

去り際に

『心配しなくても、また来るから』

そう言い残して

「 」

去った私に
ユリウスが"何か"を
言ったのかは分かったが
その"何か"を
聞き取ることは出来なかった



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