コチョウランの花に願いを

□二人の余所者
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ユリウスの案内で
部屋に入ると美少女がいました。

「あら?お客様?」

腰であるサラッサラの髪
エメラルドを思わせるような綺麗な瞳
何処の"乙女"?と聞きたくなるような
エプロンドレス
聞き間違えの無い釘宮さんvoice

この世界の最重要人物
アリス=リデルがそこにいた

「アリス、こいつはy」

「私と同じ余所者よね?」

ユリウスが説明?するのを
遮ってアリスが私の手をとった

あれ?役得?・・・・・・
役得でいいのか?これ?

「私はアリス=リデル。貴女は?」

キラキラとした
エメラルド色の瞳に
見つめられて
釘宮さんという素晴らしい声を
掛けられた私は・・・・・・

『っ〜〜〜〜〜〜〜////』

容量オーバーしました

「えっ?・・・・・・」

私の目の前で
瞳をパチクリさせている
アリスに申し訳なさが生まれた

『有希です・・・・・よろしく』

どーして私は
無愛想にしか喋れないんだよ!!!
よく言うでしょ?
人は第一印象が大切って・・・
なのに・・・・なのにぃぃぃ!!!

今だアリスと手を繋いだまま
顔をそっぽに向けて
無愛想に挨拶した私からは
アリスがどんな表情を
しているのかは分からない

「・・・・・・・・・・・・・」

『っ!!!』

無言を貫こうとしている
アリスに不安を感じ
意を決して彼女を見た
すると

『えっ?』

笑っていた花が綻ぶような
そんな笑顔で

「ユキ・・・これからよろしくね」

目の前で笑顔を見せる
美少女に見とれた私は
只頷くことしかできなかった


何処からか溜め息が溢れた
それは私でもアリスでもなく

「アリス・・・・そろそろいいか?」

ユリウスのものだった

「あら?居たのユリウス」

「・・・・・・・・・・・・・」

この世界でのアリスも
私が知っているアリスと
微妙に違うということを
知った瞬間だった




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